トラックの耐用年数は何年?車種別の一覧と減価償却をやさしく解説

耐用年数は、自家用か事業用か、新車か中古か、さらに車種によっても変わります。数字をひとつ間違えるだけで減価償却の金額がずれてしまうため、正しく押さえておきたいところです。

この記事では、トラックの法定耐用年数を車種別の一覧で整理した上で、減価償却の計算方法や中古車の考え方、さらに実際に何年乗れるのかという寿命の話までまとめて解説します。専門用語もかみ砕いて説明していくので、経理が苦手なかたも安心して読み進めてください。

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目次

トラックの法定耐用年数

トラックの法定耐用年数

トラックの法定耐用年数は、車両の大きさだけでなく、用途や構造によって異なります。まずは、自社のトラックがどの区分に該当するかを確認しましょう。

自家用トラックの耐用年数

自家用トラックとは、農産物や資材など自分(自社)の荷物を運ぶために使うトラックです。農家のかたが畑と自宅を往復するのに使う軽トラックも、この自家用にあたります。

自家用トラックの耐用年数は、次のように分かれています。

区分 耐用年数
軽トラック(総排気量0.66L以下) 4年
ダンプ式のトラック 4年
その他のトラック(軽・ダンプ以外) 5年

ダンプ式のトラックは荷台を傾けて土砂などを一気に降ろすタイプで、通常のトラックより耐用年数が1年短く設定されています。それ以外の普通トラックは、基本的に5年で覚えておけば大きく外れることはありません。

事業用トラックの耐用年数

事業用トラック(税法上は運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用)は、運賃を受け取って他人の荷物を運ぶトラックを指します。走行距離が長く、消耗も激しいことを前提に、自家用より短めの年数が設定されているのが特徴です。

区分 耐用年数
小型車(貨物は積載量2トン以下 ※) 3年
その他のトラック(積載量2トン超の中型・大型など) 4年
〔参考〕大型乗用車(総排気量3L以上・タクシー等の乗用車) 5年

※総排気量2L以下という基準は乗用など貨物以外に適用されるもので、トラックは積載量で判定します。

積載量2トン以下のトラックがもっとも短い3年で、2トンを超える中型・大型トラックは4年です。大型でも5年にはならず、5年になるのはタクシーなどの大型乗用車の枠なので、トラックでは基本的に3年か4年と考えて構いません。自家用と事業用では区分の分け方そのものが違うので、自分のトラックはどちらの用途にあたるのかを先に確認してから表を見るのがコツです。

トラクター・農機具との違い

農業をしていると、トラクターやコンバインも同じように減価償却するのか気になるところですが、ここは扱いが大きく異なります。

トラックは車両運搬具に分類されるのに対し、トラクターやコンバインなどの農業用機械は機械及び装置に分類されるのが基本です。分類が違えば耐用年数も変わり、農業用設備(農業用の機械装置)はおおむね7年で減価償却するとされています。

つまり、田畑で使う機械でも、公道を走って荷物を運ぶトラックと畑を耕す農機具では税務上の棚が別、というわけです。トラクターに関しては、耐用年数の考え方も含めて別記事で詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

✅️ 合わせて読みたい:農機具の耐用年数一覧表!減価償却切れの機械を資産に変える

トラックの減価償却と耐用年数の計算

トラックの減価償却と耐用年数の計算

事業用に購入したトラックは、原則として購入した年に全額を経費にできません。取得価額を耐用年数に応じて分け、毎年少しずつ減価償却費として計上します。

新車のトラックを買ったとき

新車のトラックは話がシンプルで、先ほどの表にある法定耐用年数をそのまま当てはめるだけです。中古車のような再計算は必要ありません。

例えば、法定耐用年数5年の普通トラックを500万円で購入したとき、定額法なら次のように計算します。

500万円 ÷ 5年 = 100万円

この100万円を、毎年の経費(減価償却費)として5年間計上していくイメージです。1年でまとめて経費にできないぶん、購入した年の節税インパクトは小さくなりますが、その後数年にわたって費用を計上できる、という考え方になります。

定額法と定率法

減価償却のやり方には、大きく分けて定額法と定率法の2つがあります。

  • 定額法:毎年同じ金額を計上する方法。計算が分かりやすいのが特徴です。
  • 定率法:残っている帳簿価額に一定の割合をかける方法。最初の年ほど経費が大きく、年々小さくなっていきます。

どちらを使うかは原則として決まっており、個人事業主は定額法、法人は定率法です。ただし、届出をすることで別の方法を選べるケースもあります。

中古トラックの耐用年数

中古トラックを買ったときは、新車のように法定耐用年数をそのまま使いません。すでに何年か使われているぶん、残りの耐用年数を簡便法という計算で見積もります。

計算式は、経過した年数によって2パターンに分かれます。

① 法定耐用年数をすべて過ぎているとき

法定耐用年数 × 20%

② 法定耐用年数の一部が残っているとき

(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

いずれも、計算結果に1年未満の端数が出たら切り捨て、2年未満になったときは一律で2年として扱います。どんなに古いトラックでも耐用年数がゼロになることはなく、最低2年は減価償却できるということです。

具体例で見てみましょう。

  • 例1:法定耐用年数5年・経過7年(すべて経過済み) 5年 × 20% = 1年 → 2年未満なので2年
  • 例2:法定耐用年数5年・経過2年 (5年 − 2年)+ 2年 × 20% = 3.4年 → 端数切り捨てで3年

中古トラックは新車より短い年数で償却できるため、1年あたりの経費を大きく取りやすくなります。節税を意識して、あえて手頃な中古を選ぶかたが多いのも、この仕組みがあるからです。

トラックの耐用年数と実際の寿命の違い

トラックの耐用年数と実際の寿命の違い

法定耐用年数は、減価償却費を計算するための期間です。トラックが物理的に走れる期間を表しているわけではありません。

2025年3月末時点における貨物車の平均使用年数は、軽自動車と被けん引車を除いて16.29年です。普通貨物車は18.15年、小型貨物車は15.20年となっており、税務上の3〜5年を大きく超えて使用されています。

サイズの呼び方や区分をまとめて確かめたいときは「トラックの種類を一覧で整理」も参考になります。

小型トラックの寿命

軽トラックや2トンクラスの小型トラックは、街乗りや近距離の運搬がメインになることが多い車格です。一般的な寿命の目安は以下の通りです。

  • 走行距離の目安:おおむね20万km前後
  • 使用年数の目安:10〜15年ほど

ただし、農業で使う軽トラは、この数字通りにいかないことがよくあります。

農業用は走行距離こそ伸びにくいものの、悪路やぬかるみを走る機会が多く、泥や肥料の影響で下回りのサビや足まわりの傷みが寿命を左右しがちだからです。

距離が少なくても、車体のコンディション(特にサビの進行具合)で寿命を判断するのが現実的といえます。

中型トラックの寿命

4トン前後の中型トラックは、配送や資材運搬で長距離を走ることも多く、寿命の目安は40〜50万kmあたりといわれます。

  • 寿命の目安:40〜50万km
  • 特徴:小型トラックよりもエンジンや部品が頑丈な設計

長距離を走ることを前提に作られているため、定期的な整備を欠かさなければ、この距離を超えて走り続ける車両も多くあります。

小型トラックと比べるとタフな構造になっているため、中型トラックは距離を走らせてこそ元が取れるタイプともいえます。

大型トラックの寿命

10トン超の大型トラックは、そもそも長距離・重量物の運搬を前提に設計されており、寿命の目安は70万km前後。よく整備された車両では100万km、あるいはそれ以上に達することもあります。

エンジンやミッションが非常に頑丈なぶん、消耗品の交換や定期整備をきちんと行えば、耐用年数(自家用で5年、運送事業用なら4年)の何倍もの期間を現役で走り抜けます。だからこそ、大型トラックは中古市場でも需要が高く、年式が古くても値がつきやすくなっています。

トラックを長持ちさせるコツ

トラックを長持ちさせるコツ

寿命が距離やメンテナンス次第で変わるということは、裏を返せば乗り方しだいでトラックはもっと長く使えるということです。買い替えコストを抑えるためにも、日々の使い方で寿命を延ばすコツを押さえておきましょう。

過積載を避ける

最大積載量を超えて荷物を積むと、エンジンだけでなく、ブレーキやタイヤ、サスペンションにも強い負担がかかります。制動距離が延びるなど、安全面にも大きな影響を与えます。

積載量は車検証で確認し、荷物が重いときは複数回に分けるか、適切な大きさのトラックを使用しましょう。車両への負担を減らすことが、故障や部品交換の頻度を抑えることにつながります。

定期的なメンテナンス

エンジンオイルや冷却水を適切に管理し、タイヤやブレーキ、バッテリーなどの消耗品を早めに交換します。警告灯が消えたからと放置せず、異音や振動があれば整備工場で確認してもらいましょう。

国土交通省は、自動車の使用者に日常点検と定期点検の実施を求めています。特に事業用トラックは、運行開始前の日常点検と3か月ごとの定期点検が必要です。

整備記録簿を残しておけば、修理や部品交換の時期を管理しやすくなります。売却するときも、適切に整備されてきたことを示す資料になります。

丁寧な運転と屋根下の保管

急発進や急ブレーキを繰り返すと、エンジンや駆動系、ブレーキなどの消耗が進みます。早めのアクセルオフや緩やかな加減速を意識し、車両に無理をさせない運転を心がけましょう。

使用しない期間は、できるだけ屋根のある場所や水はけの良い場所に保管します。雨や雪にさらされる時間を減らし、洗車後に泥や融雪剤を落としておくことで、荷台やフレームの腐食を抑えられます。

トラックの買い替え・手放すタイミング

トラックの買い替え・手放すタイミング

トラックは、故障して動かなくなるまで使うのが必ずしも得とは限りません。修理費や休車による損失、売却価格まで含めて判断する必要があります。

減価償却が終わったとき

減価償却が終わったトラックは、帳簿上の価値がほぼ償却された状態です。ただし、税務上の耐用年数を過ぎても、安全に走行できるなら引き続き使用できます

一方で、減価償却費を計上できなくなるため、利益や納税額に影響することがあります。次の車両の導入費用や納期も確認し、計画的に入れ替えを進めましょう。手放す側の車両にいくら値がつくかは、「中古トラック買取の相場と高く売るコツ」で相場の決まり方から確認できます。

修理費がかさんできたとき

エンジンやミッション、排ガス処理装置などの高額修理が続くなら、買い替えを検討する時期です。故障のたびに仕事が止まれば、修理代だけでなく、代車代や受注機会の損失も発生します。

直せばまだ乗れるという理由だけで判断せず、今後数年間の修理費と新しいトラックの導入費を比較しましょう。車検や大規模修理の前は、費用を見直しやすいタイミングです。

買い替えの時期をどう見極めるかは、農機具でも同じ考え方が使えます。修理か買い替えかの損得を整理した記事も合わせてどうぞ。

✅️ 合わせて読みたい:農機具修理の費用対効果から考えるベストな買い替え時期

動くうちに買取へ出す

トラックは、エンジンがかかり自走できるうちに売るほうが、状態を確認してもらいやすくなります。故障してからでは、不動車として引き取り費用や修理費を考慮される可能性があります。

年式が古いトラックでも、車種や架装、整備状態によっては中古車として再利用できます。買い替えを考え始めた段階で一度農機具買取の査定を受けておけば、修理して乗り続けるか、売却するかを金額で比較できます。

トラックの耐用年数でよくある質問

トラックの耐用年数でよくある質問

耐用年数まわりで出やすい疑問に答えます。

軽トラックの耐用年数は何年?

自家用の軽トラックは4年です。運送事業用として貨物を有償で運ぶ軽トラックは、小型の事業用貨物自動車として3年が適用されます。

ただし、4年を過ぎたら乗れなくなるわけではありません。法定耐用年数は減価償却の期間であり、実際の使用年数とは区別して考えます。

中古トラックの耐用年数は最短何年?

国税庁の簡便法で計算する耐用年数は、最短2年です。法定耐用年数をすべて経過したトラックでも、法定耐用年数×20%の計算結果が2年未満なら2年として処理します。

耐用年数を過ぎたトラックは乗れない?

もちろん乗れます。耐用年数はあくまで税務上のルールであって、車検や車体の状態とは無関係です。減価償却が終わっても、車検さえ通れば公道を走り続けられます。

まとめ

トラックの法定耐用年数は自家用で4〜5年、事業用なら3〜4年。一方で、貨物車の平均使用年数は16年を超えます。この差が示すのは、償却が終わってからの10年余りを、帳簿に載らない資産として働かせられるということです。

手放す時期の判断は、帳簿の残存価値ではなく、市場でいくらで売れるかに置くのが合理的です。トラックは4〜5年、農機具は7年と償却の終わりがずれて訪れるため、車両と機械をまとめて棚卸しし、値がつくうちに手放すものを決めておくと資金繰りが読みやすくなります。

使わなくなったトラックや農機具は、動くうちに農機具買取の査定を受けておくと、修理・買い替え・売却の判断を金額で比べられます。

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