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「耕運機のエンジンが、かからなくなった」
「原因としてどんなことがある?」
「修理前に自分で対処したい」
耕運機のエンジントラブルには、さまざまな原因があります。
エンジンそのものだけではなく、電気系統や燃料などエンジンを始動させるためのさまざまな要素について考えることが必要です。
本記事では、エンジンがかからない理由8つについて詳しく説明しています。
また、エンジンがかからないときの代表的な対処法、エンジントラブルを未然に防ぐ方法についても解説しています。
耕運機のエンジントラブルでお困りなら、まずはこの記事の項目を一読してみてください。
まずは確認事項として、耕運機のエンジンをかける手順を説明します。
このようなステップを踏むことで、耕運機のエンジンを安全に始動させることができます。
エンジンの種類やモデルによって細かい手順に違いがある場合が考えられるため、詳細は機種ごとのマニュアルを参照してください。
耕運機のエンジンがかからない理由を、8つにまとめました。
それぞれ分かりやすく解説します。
レバーの誤りは、初心者や耕運機の扱いに慣れていない方によく見られます。
耕運機や自動車などの多くのエンジン搭載機器では、安全性を確保するためにエンジンが始動するための特定の条件が設定されています。
エンジンを始動する際、ギアレバーは「パーキング(P)」ポジションか、「ニュートラル(N)」ポジションにセットされていることが必要です。
パーキング(P)ポジション:車両が動かないようにロックされる
ニュートラル(N)ポジション:ギアはどの駆動ポジションにも入っていない状態
上記のポジションにしておくことは、エンジンを安全に始動させるためだけでなく、突然の動作による事故を防ぐためにも重要です。
以上のように、耕運機のエンジンがかからない場合、最初に行うべきチェック項目のひとつは、レバーが適切な位置にあるかどうかを確認することです。
バッテリー上がりは、エンジンが動かなくなる原因として、比較的よく見られるものです。
そもそも、バッテリーが上がるとは、バッテリーの電力が不足している状態を指します。その結果、エンジンに必要な電力を供給することができなくなります。
エンジンを始動するためには、スターターモーターを動かすために十分な電力が必要ですが、バッテリーが上がっていると、このスターターモーターが機能しないため、エンジンが始動できません。
耕運機を定期的に使用していると、エンジンの動作によってバッテリーは充電され、バッテリーが上がる症状は起こりにくいです。
しかし、耕運機を半年間など長期間にわたって使用していない場合、バッテリーは自然放電を起こし、電力が徐々に減少していきます。
特に、冬季など低温の時期はバッテリーの放電が進みやすく、長期間放置するとバッテリーが上がりやすくなります。
バッテリーが上がった場合の対処法としては、外部からの充電器を使用してバッテリーを充電するか、新しいバッテリーに交換する作業が必要です。
ヒューズは、電気系統における過電流から機器を保護するための重要な部品です。
ヒューズが切れると、その回路に電力が供給されなくなり、エンジン始動に必要な電気系統が機能しなくなります。
耕運機において、ヒューズが切れている場合には以下のような症状が起こり得ます。
エンジンを始動するために必要なセルモーター(スターターモーター)が回らなくなるのは、ヒューズがエンジン始動のための電流を遮断しているためです。
ヒューズがその電気回路を保護しているため、電気系統が動作しなくなることがあります。
以上のような症状が見られ、ヒューズが切れている場合、新しいヒューズに交換する必要があります。
ヒューズ交換は比較的簡単な作業ですが、交換するヒューズは耕運機の仕様に合ったものでなければなりません。
正しいアンペア数のヒューズを使用しないと、再び切れる可能性がありますし、逆に大きすぎると過電流時に適切に保護しない可能性があります。
時間が経過すると、燃料は酸化や蒸発によりその品質が低下します。
ガソリンの場合、特に顕著で、適切に保存されていない場合には比較的短期間で劣化することがあります。
燃料の劣化は、直射日光の当たる場所や水が入りやすい環境で保管されていると起こりやすいです。
劣化した燃料は、色が通常よりも黄色っぽくなるか、異臭を放つことがあり、このようになるとエンジンに悪影響を及ぼし、パフォーマンスを低下させる原因となります。
もし耕運機の燃料が劣化していると疑われる場合、古いガソリンを排出し、新しいガソリンに交換する必要があります。
また、燃料の劣化を避けるためには、燃料を冷暗所に保管し、容器はしっかりと密閉しておくことが重要です。
燃料かぶりとは、点火プラグが燃料で濡れてしまい、正常に火花を散らすことができなくなる状態を指します。
通常、点火プラグは燃料と空気の混合物に火花を散らして爆発させ、これによりエンジンに動力を提供します。
しかし、この点火プラグが燃料で濡れてしまうと、火花が散らなくなり、結果的にエンジンが始動しなくなるのです。
農機具のエンジンが冷えている状態では、エンジンを始動しやすくするために「チョーク」を使用して空気量を調整し、燃料の割合を多くします。
しかし、このチョークが閉じた状態でエンジンをかけ続けると、エンジンに燃料が供給されすぎ、点火プラグが燃料で濡れてしまう可能性があるため注意が必要です。
長期間使用されていない耕運機では、燃料タンク内部に錆びが発生することがあります。
タンクの錆びは燃料の流れを阻害し、燃料フィルターの詰まりを引き起こしかねません。
これによりエンジンへの燃料供給が不十分となり、エンジンがかかりにくくなったり、完全にかからなくなったりすることが考えられるのです。
錆びは燃料タンクが湿気の多い環境にある場合や、燃料が長期間タンク内に残っている場合に発生しやすくなります。
燃料ラインを通じてエンジンに達すると、これがエンジンの性能低下や損傷の原因となることもあります。
タンク内の錆びを発見した場合、速やかに対処することが重要です。
錆び取り作業には、錆び落とし剤を使用するほか、錆びがひどい場合やタンク自体が損傷している場合は、タンクの修理や交換が必要になることもあります。
キャブレターは、エンジンに燃料と空気の混合物を供給するための部品です。
キャブレターが汚れたり詰まったりすると、燃料と空気の適切な混合が妨げられ、エンジンが始動しなくなることがあります。
キャブレターが詰まる主な原因は、以下の通りです。
時間が経過すると、キャブレター内の燃料が酸化したり、蒸発によって残留物が固まったりして変質することがあり、これが詰まりの原因となります。
また、空気の流れに伴い、土埃や小さな異物がキャブレター内に侵入し、それが積み重なって詰まりを引き起こすこともあります。
キャブレターの詰まりが発生した場合、通常はキャブレターを分解して内部を清掃することで問題を解決できるでしょう。
場合によっては、専門的な洗浄液を使用して、固着した汚れや残留物を取り除く作業が必要になることもあります。
エンジンの焼き付きの初期段階では、エンジンから異音が発生することがあります。
これは、内部部品が正常に動作せず、摩擦や圧力による異常な音が出るためです。
時間が経つにつれ、内部のゴムパッキンなどが高温にさらされ続けると焼けてしまい、エンジンオイルの漏れなど二次的な障害を引き起こすこともあります。
焼き付きが発生する原因のひとつとして、熱とオイルの問題が挙げられます。
エンジンが適切に冷却されていない場合、オーバーヒートを起こしやすくなります。これを防ぐためには、定期的に冷却水の点検と補充が必要です。
また、エンジンオイル不足も焼き付きの原因となります。エンジンオイルはエンジンの潤滑・冷却に不可欠で、不足すると内部部品の摩擦が増大し、焼き付きを引き起こすことがあるのです。
耕運機のエンジントラブルにおける、代表的な対処法について説明します。
燃料が長期間タンク内に残っていると、酸化や蒸発により徐々に劣化していきます。
前述の通り、変色や異臭が見られ、燃料が劣化していることが分かると、燃料の交換が必要です。
燃料の交換方法は、以下の通りです。
定期的な燃料の点検と交換は、エンジンの健全な状態を維持し、トラブルを未然に防ぐために重要です。
長期間使用していなかった耕運機を再び使用する際には、燃料の状態を確認し、必要に応じて新しい燃料に交換しましょう。
燃料が点火プラグにかぶると、プラグは正常に火花を発生させることができなくなりますが、この問題は、点火プラグを乾燥させれば解決できます。
具体的には、まず点火プラグをエンジンから取り外します。
取り外したプラグが燃料で濡れている場合、乾いた布で丁寧に拭き取り、プラグを完全に乾燥させましょう。
乾燥した点火プラグを再びエンジンに取り付ければ、火花を正常に発生させ、再びエンジンが始動するようになるのを期待できます。
燃料タンクが錆びていると、エンジンの性能に悪影響を与えることがあります。
錆や汚れが燃料ラインやキャブレター内部に詰まると、燃料の流れが妨げられ、エンジンが適切に始動しない原因となるのです。
このような場合、以下の手順でタンク内の掃除を行います。
タンクを洗浄する際、タンク内部を水と洗剤、あるいは専用の洗浄液で洗浄します。
固着した錆びや汚れは、ワイヤーブラシや専用のクリーニングツールを使用して取り除きます。
その後、タンクに湿気が残ると再び錆の原因になるため、内部が完全に乾くまで待ってから取り付けましょう。
エンジントラブルを未然に防ぐには、メンテナンスが重要です。
以下に、日頃から実施すべきメンテナンスについて説明します。
定期的な掃除は、エンジントラブル予防のメンテナンスとして重要です。
燃料タンクやキャブレターなどの部分は、農作業などで耕運機を頻繁に使用する際、汚れや異物が蓄積しやすく、エンジンのトラブルに繋がりやすいです。
農作業などで耕運機を頻繁に使用する場合、月1回程度の定期的な掃除を行うことをおすすめします。
燃料タンクをチェックし、内部に錆や汚れがないか確認し、必要に応じて清掃します。
また、キャブレターも分解して内部の汚れを取り除き、通路が詰まっていないかをチェックするとよいでしょう。
耕運機を長期間使用しない場合、燃料を抜いておくことがトラブルの予防になります。
1か月以上、耕運機を使用しない状態で燃料をタンク内に残したままにしておくと、燃料の劣化やタンク内の錆びの原因となります。
燃料を抜いておくことで、燃料の劣化やタンク内の錆を防ぎ、エンジントラブルのリスクを減らすことができるでしょう。
簡単にできるメンテナンスなので、耕運機の長期的な維持管理をする上では対策しておくのがよいでしょう。
耕運機は多様な部品で構成されており、各部品は温度や湿度の変化で劣化してしまいます。
保管する際には、直射日光や高温多湿な場所を避けることが肝心です。
直射日光は塗装の退色やプラスチック部品の劣化を加速し、高温多湿な環境は錆びの発生や電気系統のトラブルを引き起こしやすくなります。
理想的な保管場所は、温度や湿度の変化が少なく、直射日光から守られている場所であり、車庫や屋根付きの物置などが適しているでしょう。
また、保管前には燃料タンクやキャブレターを清掃しておくことも重要です。
耕運機のエンジンがかからないときの原因を中心に解説しました。
もう一度、まとめておきます。
また、エンジントラブルを未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスの機会を設けることが必要です。
日々、忙しい農作業をしながらメンテナンスにまでしっかりと手を回すのは大変ですが、耕運機の買い替えとなると思わぬ出費にもなるため、まずは月に1回などとスケジュールを組んで取り組むことが大切です。
どうしてもエンジンがかからない場合、専門業者による修理が必要となることもあるでしょう。
また、エンジンがかからず動かない耕運機でも、まだ買取ができる可能性があるため、処分する前に検討してみてください。
ウルトラファームでは耕運機の買取をさせてもらえるので、使用しなくなった耕運機やその他の農機具がある場合、一度ご相談ください。
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