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離農を決意するのは、人生の大きな転機となります。しかし、離農に伴って多くの課題が待ち受けているのも事実です。
余った農機具の処分やローンの返済など解決すべき問題は少なくありません。
本記事では、記事の前半で離農の原因や離農に伴う手続きについて、記事の後半では離農で問題になりやすいことや農機具処分について解説します。
離農をスムーズに進めるための情報を調べ始めた人は参考にしてください。
離農とは、それまで農業に従事していた人が農業を辞めることを意味します。農林水産省のデータによると、日本では「基幹的農業従事者」の数が年々減っており、2020(令和2)年には136万3千人と、2005(平成17)年の224万1千人と比較して39%も減少していることが明らかにされています。
なお、基幹的農業従事者とは、15歳以上の世帯員のうち、ふだん仕事として主に自衛農業に従事している者のことです。
農業従事者の高齢化は、離農の大きな原因のひとつです。他にも、農業経営の難しさや新規就農者の定着率の低さなどが挙げられます。これらについて説明します。
農業従事者の多くは高齢者であり、体力の低下や健康上の理由で農業をやめざるを得なくなる人が増えています。
日本では、農業従事者の平均年齢が高く、65歳以上の農業者が全体の約70%を占め、49歳以下の割合は11%となっています。このように、高齢者のリタイアが離農を加速しています。
農業経営の難しさも離農の要因です。農業は自然環境の影響を強く受けるため、天候不良や病害虫などのリスクが常に伴います。また、農産物の価格が市場で変動しやすく、安定した収益を得るのが難しい側面もあります。
このようなリスクに対応するためには、適切な農業経営のノウハウが必要ですが、小規模農家や新規就農者には十分な資源や支援がないケースが多く、うまく対応できないことがあります。
さらに、後継者不足も深刻な問題です。農業を継ぐ意欲のある若者が減少しているため、高齢の農業者が引退する際に農地や農業機械を引き継ぐ人がいない状況が多発しています。その結果、農地が放棄され、農業経営が継続できず、離農に至るケースが増えているのです。
新規就農者の定着率の低さも離農の一因となっています。新たに農業を始める人々は、通常、農業に必要な設備や機械を購入するための多額の初期投資が必要であり、その上、収益が得られるまでの間の生活費も確保しなければなりません。
しかし、こうしたコストや経済的負担をカバーできるほどの収益を上げることが難しく、農業を続けることが困難になることが多くあります。
また、新規就農者向けの研修や支援が不十分であることも定着率の低さに影響しています。多くの研修プログラムが栽培技術に焦点を当てている一方で、販売や流通に関する知識やノウハウの提供が不足していることが多く、結果として農業経営の安定化が難しくなっているのです。
離農するのに特別な手続きは必要ありません。しかし、農地をそれ以外の用途で使用したり、給付金を受け取ったりするには手続きが必要です。ここでは、そのような離農に関係する手続きについて説明します。
農地転用とは、土地を農業以外の用途で使用できるようにすることです。農地転用をすれば、農業用に使用していた土地で駐車場や太陽光発電、店舗経営などとして活用できます。
農地転用に関係するのが、農地法第4条・5条です。農地の所有者自らが農地転用する場合には第4条、農地の買い主・借主が転用する場合には第5条に基づく許可申請書を自治体に提出します。
もし無許可で転用すると農地法違反となり、以下の罰則が科される可能性があります。
そのため、農地転用の際は、必ず許可を取ってからにしましょう。
農地の中には、農地転用が制限される土地もあります。農地の立地基準から農地転用できない土地として、以下のものがあります。
農用地区域とは、国内農業の中でも生産性が高い、重要な位置づけがされている農地です。このような区域内にある農地は農地転用を許可してもらえません。
第1種農地とは、農地転用が原則不可とされており、農業公共投資の対象など良好な営農条件が整った農地を指します。ただし、例外的に農地転用が許可される場合もあります。
甲種農地とは、1種農地の中でも特に農業に適した土地のことです。第1種農地と同じく、農地転用が認められる場合もあります。
以上のように農地転用ができない場合には、農地バンクへの貸付、他の農業者への売却など農地として活用できる選択肢を検討することが必要です。
離農後、農地バンク(農地中間管理機構)に農地を貸し付けると、「経営転換協力金」という給付金が交付されます。貸し付けた農地の割合に応じて協力金を受け取れます。
離農後、他の業種に転職する際、労働居に就職手当を申請できる可能性もあるため、問い合わせてみましょう。
さらに、生活保護を申請も検討の余地があります。それまでの農業収入がなくなり、生活が困窮する場合には生活保護の申請ができます。
離農に伴ってよく問題になるのが、不使用になった農機具の保管・処分や借金の返済、また固定資産税が高くなる可能性などです。これらについて説明します。
農業を辞めると、これまで使用してきた農機具の保管や処分をどうするか考える必要があります。
農機具は大型のものが多いため保管には広いスペースが必要になりますが、使用していない農機具のために限られた空間を使い続けるのは、非効率です。また、使用しないまま保管していると劣化し、農機具の廃棄が必要な状態となり、廃棄費用が新たな負担となります。
農機具の処分にはさまざまな方法がありますが、すぐ処分したい場合には、費用をかけて不用品回収業者などに依頼する方法があります。また、農機具の処分は農協に相談することもできるため、状況に応じて自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
農業経営を行うために金融機関から借り入れをしている場合、離農後も借金返済の義務は続きます。農地を離れることによって収入がなくなる中で、借金の返済を続けるのは大きな負担です。
特に、農業機械の購入や土地改良などに伴う高額な借入金がある場合、返済のために資産を売却する必要が生じることがあります。離農者が多額の借金を抱えている場合、返済計画の再構築や金融機関との交渉も避けられなくなるでしょう。
国や自治体が新規就農者向けに行っている融資の制度なども、離農すれば補助対象ではなくなるため、購入した農機具のローン返済が苦しくなるリスクがあります。
離農して農地をそのまま放置すると、「遊休農地」「耕作放棄地」と見なされ、固定資産税が上がってしまう可能性があります。農地転用を検討しているなら早い段階で行い、農地を有効活用する必要があります。
離農で不使用になった農機具は、まず買取可能かどうか調べましょう。買取できれば資金が増える上に、手間もかからないことがほとんどです。買取ができなかった場合に、他の選択肢も検討するのがおすすめです。
使わなくなった農機具は、まず農機具買取業者で売れないか確かめましょう。農機具買取業者なら処分費用を抑えられる上に、プラスの資金が得られます。出張買取を依頼し、日程調整さえできれば、すぐに査定可能です。
ただし、必ずしも農機具の買取が成立するわけではなく、壊れていたり古すぎたりする農機具は、買取できないこともあります。
しかし、買取が成立に至れば、農機具の処理・処分として最もおすすめできる方法です。そのため、他の選択肢を検討する前前にまずは買取を試してみるのが良いでしょう。
不用品回収業者での処分は、農機具が古く、動作しない場合や、再販価値が低い場合に適しています。不用品回収業者は、農機具を含むさまざまな不用品をまとめて回収し、廃棄やリサイクルを行います。
処分費用はがかかりますが、機械の搬出から運搬までを一括で任せられるため、手間がかからないのが利点です。
複数の農機具を一度に処分することができるため、農業をやめる際に大量の農機具を一気に片付けたい場合に便利です。
農協(JA)は、農業に関する総合的なサポートを提供しており、買取も行っているケースもあります。地域の頼れる農協なら買取の場合も心強いと感じる人も多いでしょう。農協に買取を依頼すれば、査定員が訪れ農機具買取の手続きを進めてくれます。
しかし、注意が必要なのは、農協は買取を専門に行う組織ではないため、買い取った農機具の販路を多く確保しているわけではなく、買取額が低くなりがちです。
農機具の処分と農協については、関連記事も参考にしてください。
高齢化や農業経営の難しさから、離農する人が増えています。離農をすると、さまざまな手続き発生しますが、不使用になった農機具の処分は避けて通れない問題のひとつです。農機具を処分する方法は複数ありますが、まずは買取を検討するのがおすすめです。
ウルトラファームでは、農機具買取に特化した専門業者として、さまざまな農機具を取り扱っています。壊れていたり、古かったりする農機具でも買い取れることが多いため、まずはご相談ください。
出張査定も行っており、離農後の忙しい時期でも負担をかけずに手続きを進めていただけます。
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