トラクターの年式の調べ方とは?買取価格を左右するポイントを解説

トラクターの年式を正確に知っているでしょうか。

もしかすると、トラクターの年式を把握している人は少ないかもしれませんが、実はこの年式が買取価格に大きく影響します。

使用せずに放置していたトラクターでも、人気モデルやメンテナンスされているものは高価買取が期待できることがありますが、買取の際には年式を把握しておくことが必要です。

この記事では、そんなトラクターの年式の調べ方をご紹介します。

年式を確認し、予想以上の価値が隠れているかもしれないトラクターを、最適なタイミングでの売却(買取)に繋げてみませんか?

目次

トラクターの年式の調べ方

トラクターの年式は、製造された際に運輸支局の自動車検査登録事務所に登録された年を指します。この情報は、買取や売却、修理、または中古のトラクター購入時に必要となります。

トラクターの年式の調べ方は大きく、3つの方法があります。

  • ホイールの刻印を確認する
  • 型番を調べる
  • 車検証を確認する

それぞれ簡潔に説明します。

もしこれらの方法でも年式を調べられなかった場合、メーカーや専門家に直接問い合わせてください。

ホイールの刻印を確認する

トラクターのホイールには、製造年式を示す数字が刻印されていることが一般的です。

中古トラクターの場合、前輪のタイヤが交換されていることがあるため、後輪の刻印を確認するとよいでしょう。

型番を調べる

また、インターネットで検索する方法もあります。トラクターの型番がわかれば、その情報とメーカー名を基に、インターネット上で年式に関する情報を探すことができます。

メーカーの公式サイトなどを参照すると、型番に基づいた年式の情報が得られることが多いです。

車検証を確認する

車検証には「初度登録年月」という項目があり、これがトラクターの年式を示します。

この情報は、トラクターが国内で初めて登録された年月を示すものです。

トラクターの年式はなぜ必要?

トラクターの年式は、修理部品の確認に役立てるほか、より高く売却したり、中古トラクターを購入したりする上でも重要な意味を持ちます。

ここではトラクターの年式で分かることについて説明します。

使用年数を調べるため

トラクターの年式は、製造されてから利用が開始された時期を示します。新しい年式のトラクターは、最新の技術や設計が施されており、また利用期間も短いと推測されるので、一般的に査定価格が高くなる傾向にあります。

ただし、使用年数が新しくても、トラクターの状態が悪いと査定で減額の対象となります。日頃から定期的なメンテナンスをし、トラクターを良好な状態に保てるようにすることが大切です。

修理部品を調べるため

トラクターの年式は、そのモデルの部品が供給される期間の目安としても役立ちます。

多くの農機具メーカーは、製造終了後も一定期間、部品の供給を保証します。したがって、年式を知ることで、修理や部品交換が可能かどうかの判断材料となるのです。

農機具は一般的に長期間の利用が想定されているため、製造終了後も修理に使用する部品を供給し続けることが、農機具メーカーのガイドラインで定められています。

特に中古トラクターの場合、その機種の生産終了後も利用を続けることが多いため、トラクターが故障した際に修理できるかどうかは大きな問題となります。

このように修理部品を手に入れられるかどうかという理由から、年式の情報は大きな意味を持つのです。

買取査定時の基準

トラクターを売る際、年式は査定価格を大きく左右する要素となります。新しい年式のトラクターは高額での買取が期待できる一方、古い年式のものはその価格が低くなりがちです。

しかし、日本製の一部のトラクターは、状態が良好であれば古いモデルでも高値での買取も可能です。

動かないトラクターでも売れる可能性があります。

トラクターの耐用年数は?

トラクターの耐用年数は、そのトラクターがどれだけの期間、適切に機能するかを示す指標です。

トラクターの年式に加え、耐用年数、すなわち寿命に関する情報があれば、あとどれくらいそのトラクターを使用できるかの目安とすることができます。

トラクターの耐用年数を判断するためには、次のような項目を理解することが大切です。

  • 稼働時間
  • 法定耐用年数との違い
  • メンテナンスの重要性

一般的に想定される寿命も、メンテナンス次第で大きく引き伸ばすことが可能です。より長期間の使用をするためには定期的なお手入れを怠らないようにしましょう。

稼働時間

一般的にトラクターの平均寿命は10〜20年といわれています。トラクターの寿命を測る際に最も参照される指標が、稼働時間です。

稼働時間とは、エンジンをかけていた時間を表し、アワーメーターで確認できます。「稼働時間◯◯」という形で表記されることが多く、この時間がトラクターの使用状況を示しています。

より具体的には、トラクターの寿命は「馬力×100時間」で算出され、約1200時間で初めての故障が発生することが多いとされています。エンジンがかからない、オイルが漏れているなどの不調が見つかれば、早めに修理を依頼しましょう。

法定耐用年数との違い

寿命や耐用年数とは異なり、「法定耐用年数」は税法上の減価償却の計算のための目安として定められた年数を意味します。

減価償却とは、トラクターがどれだけの期間をかけて経済的に価値を失うかを示すもので、実際の使用年数とは異なります。トラクターの法定耐用年数は7年です。

例えば、140万円のトラクターを購入した場合、取得した年度に全額140万円を計上するのではなく、法定耐用年数である7年をかけて償却するため、毎年20万円を減価償却費として計上します。

メンテナンスの重要性

どんなに高品質のトラクターであっても、適切なメンテナンスや定期的な点検を怠れば、その寿命は大きく短くなります。適切なケアとメンテナンスを行い、できるだけ長持ちさせましょう。

主なメンテナンス方法として、以下のものがあります。

  • 屋内で保管する
  • オイル交換をする
  • 使用後は洗浄する

トラクターは直射日光や雨水を避けることによりサビや劣化を防げるため、可能であるなら屋内保管が望ましいです。

オイル交換は、メーカーによっても適切な交換時期は異なりますが、100時間を目安に行いましょう。詳しくはメーカーごとの取扱説明書を参考にしてください。

トラクター使用後は土で汚れています。土汚れはサビの原因にもなるため、特に長期間使用しない場合、洗浄しておくことが望ましいです。

年式が古いトラクターも売れる

年式が古いと、絶対に高額で売ることが不可能というわけではありません。

まず、年式が古いトラクターでも国内外で高い需要があります。安くて丈夫なトラクターは、使用年数が長くても現役で活躍できるなら問題ありません。

またトラクターを良好な状態に保つためのメンテナンスは、自分の努力で解決できる問題です。

このような、古いトラクターでも売れる理由について説明します。

海外での需要

発展途上国の農業は拡大し続けており、機械化の必要性が増しています。しかし、新品のトラクターは高価なため、多くの農家には購入が難しいのが実情です。

このような背景から、耐久性に定評のある日本製の中古トラクターは、海外の農家の間で人気が高くなっています。

中古業者も積極的に中古トラクターを海外へ輸出しているため、多くのトラクターを必要としており、結果として国内での買取需要が増加するのです。

国内の小規模農家の需要

日本にも中古トラクターを求める農家は存在します。特に小規模な農家や、高齢者、初心者農家などは、最新の高価なトラクターを購入するより、中古のものを安価で入手する方が経済的です。

近年、地方に移住して農業を始めようとする若者が増加しています。このような初めて農業を始める人にとって、安価で購入できる、年式の古い中古トラクターは魅力的な選択肢となるでしょう。

古くても状態が良いと価値が高い

もともとの品質や、過去のメンテナンス状況など、トラクターの状態が良好であれば、年式が古くても価値を担保できます。

実際、中古市場での取引価格をみると、年式が古くてもまだまだ活躍できるトラクターは高く売れることが多いです。

年式が古いトラクターを高く売るコツ

年式が古くなったトラクターでも、適切なアプローチと手段であれば、予想以上の価格で売却できます。

トラクターの価値は、単純に年式やモデルだけでなく、使用状態や市場ニーズにも影響されます。

そこで、年式の経過したトラクターを高値で売却するためのコツをいくつか紹介します。

これらのコツを活用することで、あなたの大切なトラクターを最高の条件で新しいオーナーへと手渡す一助となるでしょう。

車体の状態を良く保つ

トラクターの外見は、査定時の価格に大きく影響します。清潔でメンテナンスが行き届いている車体は、査定者に「このトラクターは大切に使われている」という印象を与え、査定金額がアップしやすくなるでしょう。

また日常のメンテナンスや定期的な点検が行われているトラクターは、故障や不具合のリスクが低くなります。故障が少ない、または存在しないことも、査定時に高評価を受けるポイントです。

適切な時期に売る

一般的に、市場の需要が高い時期に商品を提供することで、高価での取引が期待できます。これは農機具も例外ではありません。

特定の作業の直前には、その作業に関連する機器の需要が高まるため、そのタイミングで売却することが高く売るための鍵となります。

例えば、田植機は春に活躍するため、その前の2月頃が売却の絶好のタイミングです。逆に、稲刈り機は秋の稲刈り時期に使用されるので、8月前後が高値で売れやすくなります。

また、中古相場の動向も買取価格に関係します。

中古の相場が低下している場合、すぐに売却することが有利に働く場合が多いでしょう。長い期間待っても相場が上がることは稀で、さらにトラクターの老朽化が進むため、売却価格が下がるリスクがあります。

古くなりすぎないうちに売る

トラクターは頑丈に作られているものの、使い続けることで必然的に損耗していきます。そのため、なるべく新しい状態のうちに売るのが高価買取に繋がるのは、言うまでもありません。

使用頻度はアワーメーターの値で確認できます。アワーメーターが示す数値が、300時間以内であれば新しい車両と判断されやすく、1000時間を超えると古いと判断される可能性が高くなるため、注意しておきましょう。

また、エンジンやバッテリー、オイルの状態など、部品それぞれの状態も買取価格に影響します。部品は経年劣化によって状態が悪化するものです。使っていないトラクターであっても、経年劣化は避けられないため、早い段階での売却が有利な取引に繋がります。

トラクターの年式わかったら早く買取依頼する

トラクターの年式を正確に知ることは、その車両の価値を適切に評価する上で重要です。

今回の記事を通じて、年式の調べ方についての方法を知っていただけたのではないでしょうか。

年式が古いからといってその価値が低いと決めつけず、しっかりと調査することで、予想以上の高価買取が可能になるケースもあります。

所有しているトラクターの実際の価値を知り、最良のタイミングで売却を検討してみてください。年式が古いトラクターにも、まだまだ価値は隠れているかもしれません。

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