小型トラクターはどんな農家におすすめ？メリット・デメリット・選び方を徹底解説

小型トラクターの導入は、農業の作業効率を大幅に向上させる鍵を握ります。特に、これまで手作業や旧式の機械で行っていた作業が多い農家にとって、新しい機械への切り替えは、作業時間の短縮と体力の負担軽減に繋がります。

本記事では、小型トラクターでできることやメリット・デメリット、小型トラクターの選び方について説明します。

トラクターの選び方が、収穫量や作業の質を大きく左右するため、ぜひこの記事を参考にしてください。

小型トラクターはどんな農家におすすめ？

小型トラクターは、主に小規模農家や兼業農家、新規就農者におすすめです。特に1〜5ヘクタール程度の比較的小さな圃場を持つ農家や、ハウス栽培を行う農家にとって適しています。

現在耕運機をメインで使用している農家が作業効率を向上させたい場合にも、小型トラクターの導入が効果的です。トラクターには用途に応じたアタッチメントを取り付けることができ、1台で多くの作業をこなせます。

また、初期投資を抑えたい農家や、保管スペースに制限がある農家にとっても、小型トラクターは魅力的な選択肢となるでしょう。

小型トラクターでできること

小型トラクターが活躍する場面として、以下の3つを紹介します。

• 田んぼの畦塗り
• 牽引・運搬
• 肥料の散布

ひとつずつ解説します。

田んぼの畦塗り

田んぼの畦塗りにおいては、トラクターにアタッチメントを装着することで、畦を綺麗に整備する作業ができます。畦は水田において水の管理をするために重要です。均一に整えることで水の流出を防ぎ、農地を守る役割を果たします。

小型トラクターを使うことで、この作業が手作業よりも速く、精度高く行えるのがメリットです。昔は牛や馬に畦塗りの機械を牽引させていましたが、現在はこの役割をトラクターが担っています。

牽引・運搬

小型トラクターはさまざまな作業機やトレーラーを牽引する能力があります。これにより、肥料や収穫物、農具などを圃場内や農場内で効率的に運搬することができます。

例えば、収穫物や資材を運ぶ際、トレーラーやワゴンを接続することで、重い荷物を一度に運搬することが可能です。

これにより、時間と労力を大幅に節約でき、農業作業全体の効率が向上します。特に、小規模農家では手作業での運搬が負担になることが多いため、トラクターを使うことで作業のスピードが上がり、体力の消耗も抑えられます。

肥料の散布

肥料の散布も小型トラクターで行うことができます。肥料散布機を取り付けることで、均一に肥料をまき、作物の成長を助けることができるため、農地全体にバランスよく養分を供給することが可能です。

特に「ブロードキャスター」と呼ばれる散布機を使用すると、タンクに入れた肥料を農地全体にまんべんなく撒くことができます。

手作業での散布と比較して、トラクターを使用すると広い面積を短時間でカバーでき、肥料の無駄を防ぎつつ、必要な場所にしっかりと散布できるため、収穫量や作物の品質向上にも繋がります。

小型トラクターのメリット

小型トラクターならではのメリットとして、以下の点を挙げることができます。

• 低コストで手に入る
• 保管がしやすい
• 初心者でも操作しやすい

これらの詳細を説明します。

低コストで手に入る

小型トラクターの大きなメリットのひとつは、低コストで手に入れやすい点です。30馬力以上が出せるような本格的なトラクターに比べ、購入価格が比較的手頃なため、農業初心者や、資金を抑えたい農家にとっても導入しやすい選択肢となります。

また、燃費が良く、維持費やメンテナンスコストも少ないため、運用にかかる経費を最小限に抑えることができます。そのため、長期的なコストパフォーマンスにも優れています。

保管がしやすい

保管がしやすい点も小型トラクターの利点です。小型トラクターの全長は2〜3メートル程度、幅も1〜1.5メートル前後と、大型トラクターに比べてコンパクトです。

小型でコンパクトな設計のため、保管場所に困りにくく、倉庫やガレージなどの限られたスペースでも無理なく収めることができます。

そのため、狭い農地や自宅の敷地内に保管する場合でも、効率よくスペースを活用できるため、保管にかかる負担が軽減されます。また、移動や持ち運びも比較的容易で、必要な場所にすぐにトラクターを運んで使うことができる点も便利です。

初心者でも操作しやすい

初心者でも操作しやすいという点も小型トラクターの魅力です。操作性がシンプルで、特別な技術や経験がなくても、基本的な運転方法を短期間で習得できます。小回りが利き、狭い場所や複雑な地形でも扱いやすいため、初めて機械を使う農家や、家庭菜園を行う人にも適しています。

また、最新の小型トラクターには、自動制御や操作をサポートする機能が搭載されているものも多く、より安全でスムーズな作業が可能です。

小型トラクターのデメリット

メリットの一方で、以下のような点はデメリットになります。

• 広い圃場に対応しづらい
• アタッチメントの種類が少ない

これらについても解説します。

広い圃場に対応しづらい

小型トラクターのデメリットとして、まず広い圃場に対応しづらい点が挙げられます。小型トラクターは、その名の通りコンパクトであるため、小規模な農地や狭いエリアでは非常に有効ですが、広大な圃場を効率よく作業するには不向きです。

例えば、耕うん作業を行う場合、小型トラクターに装着されるロータリーの幅は狭いため、広大な圃場を耕すには何度も往復する必要があります。

広範囲の耕作や大規模な農業を行う場合には、よりパワフルで作業範囲の広い大型トラクターの方が適しているため、小型トラクターでは限界があるといえます。

アタッチメントの種類が少ない

アタッチメントの種類が少ないという点も、小型トラクターの欠点のひとつです。小型トラクターは、多くの場合20馬力以下の機種が該当しますが、このようなトラクターは主に2点リンク方式を採用しています。

一方で、多くの作業機が採用しているのが3点リンク方式であり、2点リンク専用の作業機の種類は限られています。そのため、使用できる作業機の選択肢が大幅に制限されてしまうのです。

これにより、農作業の多様性や柔軟性が制限され、さまざまな作業を行いたい農家にとっては大きな制約となる可能性があります。

トラクターの選び方

トラクターを選ぶときは、作業の内容、圃場の広さ、そして土質という観点からを考慮することが必要です。では、それぞれ説明します。

作業の内容

トラクターを選ぶ際には、まず作業の内容に応じて適した機種を選ぶことが肝心です。耕作、運搬、収穫など、どの作業を主に行うかによって、必要なトラクターの種類や装備が変わります。

例えば、畑の耕作や整地がメインであれば、耕運機能に優れたトラクターが求められ、さらに畦塗りや肥料の散布など、さまざまな作業を効率的にこなすためには、対応可能なアタッチメントを備えたモデルを選ぶ必要があるでしょう。

作業内容に合わせて、パワーや機能を適切に選ぶことが、作業の効率化と生産性向上に繋がります。

圃場の広さ

圃場の広さもトラクター選びにおいて重要な基準となります。広い圃場では大きな馬力のトラクターが効率的ですが、小規模な圃場では小回りの利く小型トラクターの方が適しています。

例えば、1〜5ヘクタールほどの小さな圃場やハウス内での使用には、16〜25馬力の小型トラクターがおすすめです。圃場が広くなるほど、より大きな馬力のトラクターが必要となります。

土質

土質もトラクター選びに影響します。固い土壌や粘土質の土地では、パワーのあるトラクターが必要で、地面をしっかりと掘り返し、深く耕すことが求められます。粘土質の土壌では、25馬力以上のパワーがあるトラクターがおすすめです。

粘土質以外の土質であれば、馬力が小さな小型トラクターでも十分に対応できます。

まとめ

これまで使用していた農機具から、小型トラクターへの買い替えを検討する場合、古い農機具を売却すれば、新しいトラクター購入の資金に充てられます。

不要になった農機具を農機具買取サービスに依頼すれば、スムーズに買い替えが進み、コスト負担も軽減することが可能です。

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