籾摺り(もみすり)とは?稲から玄米を取り出す工程について解説

籾摺りは、稲刈りで刈り取った稲から玄米を取り出していく作業で、高品質な米を生産する上で、重要な工程に当たります。

しかし、農業初心者にはあまり聞き馴染みがない言葉かもしれません。そこで、本記事では籾摺りのやり方や籾摺り機の選び方について紹介します。

目次

脱穀とは(籾摺りの前段階)

脱穀とは、稲刈りで収穫された稲から、お米となる籾(もみ)の部分を分離する工程です。

稲刈りだけでは、まだ籾が稲穂に付いたままの状態であるため、脱穀を通じてこれらを分離し、最終的に普段私たちが食べている精米の状態にしていきます。

現代農業では、脱穀作業の効率化と生産性の向上のためにコンバインが広く使用されています。コンバインは、稲刈りと脱穀の両方を同時に行うことができる農機具であり、コンバインの導入によって農作業の時間と労力が大幅に削減されました。

コンバインとはどのような農機具なのかについても、理解しておくとよいでしょう。

籾摺りとは

籾摺りとは、脱穀の後に来る工程です。脱穀した後の稲から得られる籾をさらに加工し、食べられる状態にします。

脱穀によって稲から分離された籾は、外側に硬い殻がついたままであり、この状態では食用に適しません。籾摺りを行うことで、この硬い籾殻を取り除き、中身を露出させることができます。

籾取りを行なうことで、籾は人間が食べることができる玄米となります。玄米は食物繊維などが豊富で、健康食として注目されているのを知っているでしょう。

大規模な農家では、カントリーエレベーターを利用して乾燥から籾摺りまでの工程を一貫して行います。

カントリーエレベーターは、脱穀された籾を乾燥させ、籾摺りを行い、さらに袋詰めまでを一手に担う施設であり、ここで出荷された玄米は全国の消費者へと届けられます。

参考:農林水産省「カントリーエレベーターについて知りたい。」

一方、小規模な農家では、籾摺り機を使用することがあります。籾摺り機は、カントリーエレベーターに比べて小規模な作業に適しており、手軽に籾摺りを行うことができます。

籾摺り機とは

籾摺り機は、脱穀された籾からもみ殻を除去し、玄米を得るための機械です。代表的な籾摺り機の種類として、以下のタイプが挙げられます。

  • ゴムロール式
  • 衝撃式

ゴムロール式は、回転数が異なる2つのゴムロールの間に籾を通過させ、圧力と回転速度の差によって生じる摩擦を利用して籾殻(もみがら)を剥く機械です。ちなみに、籾殻を取り除く作業を「脱ぷ(だっぷ)」といいます。

機械によって多少の差はあるものの、脱ぷ率はおおむね80~85%程度とされています。現代の農業では、このゴムロール式で脱ぷした後に、籾を揺動選別式やロータリー式でさらに選別するタイプが主流となっています。

一方、衝撃式は、高速で回転するファンの遠心力を用いて籾を飛ばし、外周のゴムに当たることで生じる摩擦力を利用して籾から玄米を脱ぷするタイプの機械です。

衝撃式では、ロール式の機械と比較して圧力を直接米にかけずに脱ぷさせるため、玄米の肌ずれが少なく、結果として玄米の光沢が向上し、見た目にも美しい米を生産することができます。

籾摺りのやり方

籾摺りは、刈り取った稲から最終的に玄米を生産するまでの過程を指します。規模の大小はありますが、籾摺りの大まかな流れは共通しているため、どのような作業が、どのような目的で必要なのかが分かるでしょう。

まずは、収穫された籾を乾燥機に入れる「張り込み」という作業から始まります。刈り取ってすぐの籾には20〜25%の水分が含まれていますが、これを15%程度まで下げるために乾かす作業が、張り込みです。

乾燥機での張り込み後、送風を行います。これは、水分量にムラがある籾を均一にするとともに、湿気によるカビの増殖を防ぐためです。送風後は、籾を再び乾燥させます。

乾燥が完了した後に行なうのが、籾摺り機を用いて籾から玄米を取り出す作業(籾摺り)です。このとき出た籾殻は、外部の袋に集められ、後に田んぼの肥料などに使われます。

籾摺りの次は、ライスグレーダーを用いた玄米の選別作業です。ここで玄米は整粒と屑(くず)米に分類され、整粒は正式な玄米として選ばれ、屑米は鶏の餌や肥料として使われます。

選別された玄米は、色彩選別機でさらに精密な選別を施し、石や異物、着色した米などを取り除きます。最後に、自動計量選別機で良質の玄米のみが計量され、米袋に袋詰めされます。

以上のようにして、刈り取った稲が玄米となっていくのです。

籾摺り機の選び方

籾摺り機の選び方として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 電圧の高さ
  • 肌ずれ機能
  • 異物の除去機能

それぞれ說明します。

電圧の高さで選ぶ

業務用途の場合、200Vの籾摺り機を選ぶのがおすすめです。

低電圧の100Vタイプは初期投資費用が比較的安価なことが魅力ですが、業務用としての使用を考えると、パワフルさや精度において200Vタイプに劣ることがあります。

家庭用での使用を目的としない限り、200Vの電圧を持つ籾摺り機を選択するのが良いでしょう。

肌ずれ機能で選ぶ

肌ずれとは、玄米の表面に傷がついてしまうことを指し、これが原因で米の品質が低下することがあります。肌ずれを最小限に抑えることは、高品質な米を生産する上で重要なのです。

揺動選別方式では、選別板を用いて籾を効果的に誘導し、米と籾殻の分離を行います。選別板による誘導作用が米に優しく作用するため、肌ズレを軽減することが可能になります。

ロール式の籾摺り機は、その構造上、肌ずれが発生しやすい傾向にあります。そのため、ロールの隙間を簡単に調整できる機能を持つ機種を選ぶのがおすすめです。適切な隙間の調整は、玄米への過度な圧力を避け、肌ずれのリスクを軽減します。

ロール式とは対照的に、衝撃式の籾摺り機は、高速回転するファンの遠心力を利用して籾を脱ぷさせるため、玄米に直接圧力をかけずに済み、肌ずれの発生を抑えることができます。

肌ずれへの懸念が特に高い場合には、衝撃式の籾摺り機を選択することが望ましいでしょう。しかし、衝撃式の機種は価格が高めであったり、メンテナンス性に特有の要求があったりするため、これらを総合的に考慮して選択する必要があります。

異物の除去機能で選ぶ

稲刈り・脱穀を終えた籾は、品質低下を防ぐため数日〜1週間ほど乾燥させますが、その間にネズミの糞や虫などの異物が混入することがあります。

このような異物は、籾摺り機の故障に繋がるのに加え、消費者からの信頼も落としかねないため確実に取り除く必要があります。

そのため、籾に含まれている異物を検知し、自動で除去できる機能を備えた籾摺り機を選ぶと安心して籾摺り作業ができるでしょう。

また、籾摺り作業中、玄米に籾が混入してしまうのを防ぐ機能もあると、なお良いでしょう。

まとめ

籾摺りについて説明しました。籾摺りは、稲刈りで収穫した稲から玄米を取り出し、最終的に私たちがおいしく食べる「お米」を精製する過程であることが理解できたでしょう。

籾摺り機は、サタケやヤンマー、クボタ、オータケなどの主要メーカーから販売されています。

籾摺り機を導入の際、初期費用を抑えたい場合は中古の選択肢も良いでしょう。中古であれば、10〜20万円程度で手に入るものもあります。

同時に、使用していない農機具の買取をして資金が増やせば、さらに初期費用を抑えることができるでしょう。

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