農機具リースのメリット・デメリットとは?契約後に後悔しないためのポイント

農業経営には欠かせない農機具。しかし、トラクターやコンバインなどの大型機械は高額で、購入するには大きな資金が必要です。そこで注目されるのが「農機具リース」。リースを活用すれば、初期費用を抑えながら最新の農機具を導入でき、資金繰りを安定させることも可能です。  

とはいえ、リース契約には注意点もあります。「総支払額は購入より高くならないか?」「契約期間中の制約は?」「契約終了後の選択肢は?」 など、事前に把握すべきポイントが多く、知らずに契約すると後悔することも…。  

本記事では、農機具リースのメリット・デメリット を詳しく解説し、リース終了後の賢い選択肢 についても紹介します。リースを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

農機具リースとは

赤いトラクター

農機具を導入する際、購入以外にリースという選択肢があります。初期費用を抑えつつ、毎月の支払いで最新機械を使用できる点が特徴です。購入との違いやリースの仕組みについて詳しく解説します。

農機具リースとは?購入との違い

農機具リースとは、農業用の機械を一定期間借りて使用する契約のことです。購入する場合と異なり、一度に多額の資金を用意する必要がなく、月々のリース料金を支払うことでトラクターやコンバインなどの高額な農機具を導入できます。

契約期間中はリース会社が所有者となるため、資産計上の必要がなく、経費として処理できる点も特徴です。また、一定期間使用した後に機械を返却するか、買い取るかを選ぶことができるため、状況に応じた柔軟な運用が可能になります。

農機具リースとレンタルの違い

農機具を借りる方法にはリースとレンタルがありますが、それぞれ目的や契約期間が異なります。レンタルは短期間の利用が前提で、必要な時だけ借りられるのに対し、リースは数年単位の長期契約となるため、継続的な使用に適しています。

レンタルは主に「収穫期だけ機械を借りたい」など一時的な需要に向いており、リースは「長期間使いたいが初期費用を抑えたい」といった場合に適した選択肢です。また、リース契約にはメンテナンス費用や修理費用が含まれるケースもあり、維持管理の負担を軽減できる場合があります。

農機具のレンタルについては以下の関連記事もご覧ください。

>> 農機具レンタルのメリットとデメリッとは?長期利用なら買取・購入も検討すべき

リース契約時の注意点と選び方

リース契約は途中解約ができないため、長期間にわたる計画的な運用が求められます。契約満了時には、機械を返却するか、買い取るかを決める必要があり、リース期間中の総支払額が購入よりも高くなる可能性がある点も考慮が必要です。

もし短期間の使用や柔軟な運用を求める場合は、レンタルの方が適していることもあります。農機具の使用頻度や経営状況に応じて、リースとレンタルのどちらが最適かを慎重に判断することが大切です。

農機具リースのメリット

アタッチメントをつけたトラクター

リースを活用すれば、初期費用を抑えながら計画的に農機具を導入できるほか、資金繰りの安定や最新機種の利用といった多くの利点があります。ここでは、農機具リースの具体的なメリットについて詳しく解説します。

初期費用を抑えられる

農機具を購入する場合、特に大型のトラクターやコンバインなどになると、数百万円、場合によっては1,000万円を超えるような高額な初期費用が必要となります。これだけの金額を一度に用意するのは、個人農家の方にとっても、法人経営の農家の方にとっても、大きな負担となります。

一方、リースであれば、一度に大きな金額を用意する必要はありません。 毎月一定のリース料金を支払うことで農機具を利用できます。例えば、数百万円の農機具をリースする場合、月々数万円程度の支払いで済むことも多く、初期費用を大幅に抑えることができます。

このため、手元資金を運転資金などに回すことができる のは大きなメリットです。特に、新規就農や規模拡大を目指す際、大きな助けとなるでしょう。

資金繰りの安定化

農業経営では、種苗費、肥料費、燃料費など、さまざまな経費が継続的に発生します。さらに、収入は収穫期に集中するため、年間を通じた資金繰りが肝心です。

農機具をローンで購入した場合、毎月の返済額は一定ですが、高額な初期費用や、突発的な修理費用が発生すると、資金計画が狂ってしまうリスクがあります。

しかし、リースであれば、毎月支払うリース料金は一定です。突発的な出費も抑えられるため、収支の見通しが立てやすく、安定した資金繰りが可能になります。 毎月の支払額が明確なので、他の経費とのバランスも取りやすく、計画的な経営に繋がります。

最新機種を利用しやすい

農業技術は日々進歩しており、より高性能で効率的な農機具が次々と開発されています。新しい農機具を導入すれば、作業効率の向上、収穫量の増加、さらには燃料費の削減など、様々なメリットが期待できます。

しかし、購入した農機具を頻繁に買い替えるのは、費用面で現実的ではありません。

リースの場合、契約期間が終了した際に、その時点での最新機種に乗り換えることが比較的容易です。 古い機種を使い続ける必要がなく、常に最新の技術を利用できることは、競争力を維持する上でも見逃せません。

メンテナンスの手間・費用を削減

農機具は、長く安全に使うためには定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、メンテナンスには専門的な知識や技術が必要となる場合も多く、時間や手間がかかります。また、部品交換や修理が必要になると、その費用も馬鹿になりません。

多くのリース会社では、メンテナンス付きのリースプラン を提供しています。このプランを利用すれば、定期点検や修理などをリース会社に任せることができます。

自分で行うメンテナンスの手間を省けるだけでなく、予期せぬ修理費用が発生するリスクも軽減できます。 特に、機械の扱いに慣れていない方や、メンテナンスに時間を割けない方にとって心強いサービスです。

経費処理が容易

農機具を購入した場合、固定資産として計上し、減価償却などの複雑な経理処理が必要となります。これは、特に個人農家の方にとっては、大きな負担となる場合があります。

一方、リースの場合、毎月のリース料金をそのまま経費として計上が可能です。  減価償却のような複雑な計算は不要で、経理処理が非常にシンプルになります。これにより、事務作業の負担を軽減し、本業である農業に専念することができます。

税理士に依頼している場合、処理が煩雑な方が費用が高くなる傾向にあるので、結果的に節約になるでしょう。また、一般的にリース料は全額経費として認められるので、節税効果も大きいと言えます。

農機具リースのデメリット

かかし

リースには多くのメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。総支払額の問題や契約の制約など事前に理解しておかないと後悔する可能性があります。

ここでは、農機具リースのデメリットについて詳しく解説します。

総支払額が購入より高くなる場合がある

リースでは、毎月のリース料金に金利や手数料、保険料などが含まれています。そのため、契約期間全体の総支払額で比較すると、現金一括で購入するよりも、ローンの総返済額よりも、結果的に高くなるケースがあります。 とりわけ、長期間のリース契約を結ぶ場合には、その差が大きくなる傾向があります。

ただし、これはあくまでも総支払額だけの比較です。リースのメリットである「初期費用を抑えられる」「資金繰りの安定化」などは金額に換算できない価値があります。これらのメリットと総支払額を総合的に考慮して、リースと購入のどちらがご自身にとって有利かを判断する必要があります。

中途解約が難しい

農機具リースは、原則として中途解約ができません。 契約時に決められた期間中は、リース料金を支払い続ける必要があります。やむを得ない事情で中途解約する場合、高額な違約金を支払わなければならないことが一般的です。

違約金は、残りのリース期間のリース料金相当額になることも多く、大きな負担となります。

そのため、リース契約を結ぶ際には、本当にその期間使い続けるのか、途中で不要になる可能性はないか、慎重に検討する必要があります。また、経営状況の変化など、将来的なリスクも考慮しておくことが必要です。

所有権がない

リース期間中、農機具の所有権はリース会社にあります。利用者はあくまでも農機具を借りている立場であり、自分の所有物にはなりません。 そのため、リース期間が終了した後は、原則として農機具をリース会社に返却する必要があります。

自分の所有物にならないということは、例えば、不要になったからといって勝手に売却したり、他人に譲渡したりすることはできません。資産として計上することもできないため、所有することに価値を感じる方にとってはデメリットといえるでしょう。

カスタマイズが制限される

リースする農機具は、リース会社から借りているものですので、基本的に自由に改造やカスタマイズをすることはできません。 返却することを前提としているため、原状回復が難しいような変更は認められないことが一般的です。

例えば、作業効率を高めるために特殊なアタッチメントを取り付けたい、使いやすいように操作系を変更したい、といった場合でも、リース契約では制限される可能性があります。

もし、大幅なカスタマイズを希望する場合は、購入を検討する方が良いでしょう。事前にカスタマイズの希望がある場合はリース会社に相談してみましょう。

契約終了後の選択肢が限られる

リース期間終了後の選択肢は、返却、再リース、買取などに限定されます。特に買取を選択する場合、残存価値が高く設定されていることがあり、必ずしも有利な条件とは限りません。また、使い慣れた機械を継続して使用したい場合でも、リース会社の方針によっては返却を求められる可能性があります。

リース終了後の選択肢

手続き

契約満了後の選択肢を誤ると、余計なコストがかかってしまったり、業務の効率が低下したりする可能性もあります。

リースを継続するのか、それとも買取や売却といった別の方法を選ぶのか、それぞれの選択肢の特徴を理解し、自身の経営状況に合った最適な方法を選びましょう。

新しい農機具にリース更新

1つ目は、現在利用している農機具をリース会社に返却し、新たに別の農機具でリース契約を結ぶという選択です。この方法の魅力は、常に最新機種や高性能な農機具を利用できる点にあります。

また、新たにリース契約を結ぶ形ですので、購入する場合と比べて初期費用を抑えられるというメリットもあります。さらに、メンテナンス付きのプランを選べば、手間や費用を削減できる点もこれまでと同様です。

しかし、新たな契約となるため、再度リース会社の審査が必要になる場合があること、そして長年使い慣れた機械を手放すことになる点は考慮すべき事項でしょう。新しい契約を続けていくと、その分総支払額は大きくなる傾向にあることも認識しておくべきです。

契約していた機械を買い取る

2つ目は、リース契約が終了した際に、それまで使用していた農機具をリース会社から買い取るという選択です。契約時に定められた残価(買い取り価格)を支払うことで、所有権を得ることができます。

長期間使い慣れた機械を引き続き使えるため、新しい機械に慣れる手間がかからず、引き続き安定した運用が可能です。また、まだ十分に使える機械であれば、買取後も長く使用できるため、総コストを抑えられる場合もあります。

ただし、リース契約によっては買取価格が割高になるケースもあるため、リース開始時点で契約満了後の買取価格を確認しておいてください。

使わなくなった農機具を売却する

3つ目は、リース契約終了に伴い農機具をリース会社に返却し、さらに、それまで使っていて不要になった自身の保有する農機具を買取業者に売却するという選択です。

この方法は、リース契約とは直接関係ありませんが、リースアップを機に検討されることが多い選択肢のひとつです。農機具を売却することで現金収入を得られることが最大のメリットであり、この収入を新たな農機具のリースの頭金にしたり、購入資金に充てたりすることができます。

また、不要な農機具を処分することで保管場所の問題が解決する点も見逃せません。新しい農機具を導入するための資金を得られるため、より効率的な農業経営に繋げることも可能でしょう。

不要な農機具は買取へ!リース後の賢い選択

リース契約が終了し、使わなくなった農機具を手放したい場合は、買取を活用するのが賢い選択のひとつです。リースとは直接関係がなくても、リースアップを機に不要な農機具を整理することで、現金化し、新たな設備投資に充てることができます。

農機具の売却を考えるなら、「ウルトラファーム」 にご相談ください。当社では、トラクターやコンバインをはじめ、さまざまな農機具を高価買取 しています。

故障している機械や古いモデルでも買取可能なため、「動かないから売れないかも…」と諦める前に、ぜひ一度査定を依頼してみてください。

さらに、 出張買取サービス も行っており、農機具を運ぶ手間がかかりません。査定は無料なので、リース満了後の農機具の処分に悩んでいる方は、気軽にご連絡ください。

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