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草を刈り取る農機具には、刈払機(かりはらいき)と草刈機(くさかりき)がありますが、両者は混同しやすく、明確な使い分けが意識されていない場合も多いです。
この記事では、両者の基本的な違いや種類、使い分けについて解説しています。
刈払機と草刈機の違いを知り、適切な機器を選べるようにしてください。
結論からいえば、小型の機器が刈払機で、より大型の機器が草刈機と表されることが多いです。
では、それぞれについてより詳しく説明します。
刈払機は、基本的には片掛け式になっており、手でハンドルを操作するタイプを指します。
小型な機械を指し、主に家庭の庭や小規模な公園、河川敷などで使用されるのが一般的です。
刈払機は、手作業で鎌などを使って草を刈るような作業を自動化するのに適しており、動力源として2サイクルエンジンや4サイクルエンジンがあり、電動タイプも存在します。
チップソーやナイロンコード、ブレードなど草刈り機と同様の切断部品が用いられ、エンジン式や電動式などの動力源によって性能や騒音レベルが異なります。
草刈機とは、搭乗式や自走式も存在し、大きな敷地にも対応できるようになっているタイプの機械です。
注意が必要なのは、刈払機を指して草刈機と呼ばれることも、実際には多いということです。
そのため、「草刈機」と記載されていたら、刈払機のことを言っているかもしれないと注意する必要があります。
さて、草刈機の中でも大型で搭乗式草刈機は、重量約500kgのハンマーナイフを使用して一気に大量の草を刈り取ることができ、大規模な草刈り作業に適しているのが特徴です。
搭乗式草刈機は「モア(mower)」といい、刈刃の種類と組み合わせてハンマーナイフ・モアなどの呼称として用いられます。
刈払機は動力やハンドル、刈刃などにいくつか種類があります。
刈払機を稼働させる動力には、以下の3種類があります。
電動式はエンジンが付いていないため、軽量で持ち運びしやすいです。電動式でもコード式の場合、コードの長さに行動範囲が限定されます。
充電式はコードがないため行動範囲が広がります。ただし、パワーに欠けるものもあります。
エンジン式はパワフルに草刈りができる一方で、エンジンの重みがあるため身体への負担を感じやすいです。
刈払機本体を操作するためのハンドルには、3種類あります。
両手ハンドルはU字ハンドルとなっており、操作するのに安定感があります。
ループハンドルはハンドルを使い、上下の調節がしやすくなっています。
ツーグリップハンドルは直接刈払機の棒を操作して微調整がしやすいため、細かい作業に適しています。
刈刃は以下の3種類があります。
ナイロンカッターは、細くて柔らかい草を刈るのに適しています。
チップソーは、丸いノコギリの刃先に硬い素材のチップを取り付けたものです。チップソーには木材や金属を切断するためのものもありますが、刈払機には専用のものを使用します。
金属刃は、台金に直接刃をつけた刈刃を指します。チップソーも素材的には金属刃ですが、金属刃と呼ばれる刈刃は、超硬チップがついていないものを意味します。金属刃は刃数が少なく、一般的には2枚刃、3枚刃、4枚刃、8枚刃の刈刃が広く普及しています。
刈払機よりも大型となる草刈機の種類について説明します。
モアは、乗用モアと自走式モアに分けられます。
乗用モアは人が乗って操作ができ、モア本体の下側の草を刈れるのが特徴です。ゴーカートを運転するような感覚で、作業者の負担を減らしながらスピーディーに草刈り作業を行えます。
公道を走れる乗用モア(乗用草刈機)もあります。
自走式モアは草刈機が自走するため、刈払機のように持ち上げる必要がなく、生い茂った雑草などを取り除くのに適しています。
乗用モアと自走式モアは、刈刃の形状や草を刈る方法によって、以下の3種類に分けられます。
ハンマーナイフモアは水平なドラムに複数のY字型の刃が取り付けられており、刃が高速で回転することで草を切り刻みます。背の高い草もきれいに刈り取れます。このタイプは高い草や厚い植生に対して高い性能を発揮するため、未整地の土地や野原での使用に向いています。
ハンマーナイフモアの欠点についても確認してください。
ロータリーナイフモアは地面と平行に取り付けられた刃が横に回転し、草を刈り取るタイプの草刈機です。ナイフの型によってさらに3種類に分かれ、バーナイフ型、フリーナイフ型、クロスナイフ型があります。
バーナイフは、1本の刃を回転させるタイプで、安価ですが石などの障害物に弱く、当たると消耗しやすいのが難点です。フリーナイフは、ナイフステーと呼ばれるナイフを支える部分の先端にある、ハンマーナイフのような柔軟性のある刃で刈るタイプです。障害物に刃先が当たっても、フリー式なので刃が逃げてくれ、石や障害物にも強いのが特徴です。
クロスナイフは、十字の刃がプロペラのように回って草を刈るタイプで、刃が4本あります。バーナイフやフリーナイフに比べて、1本の刃にかかる負担が少なくて、草をより細かくできるメリットがあります。
最後に、スパイダーモアは、農業機械メーカーであるオーレックから発売されている斜面専用の草刈機の商品名です。斜面を安定して走行でき、斜面の上から長い法面の草刈りを安全に行うことができます。通常の草刈機のように斜面に立つ必要がないため、身体への負担も軽くなります。
スパイダーモアの欠点についてもご覧ください。
刈払機と草刈機は、それぞれどのような場面で使用するのが適切かについて解説しています。
刈払機は、比較的狭い範囲の草刈り作業が必要なときに使用します。家庭の庭や小さな畑、草刈機が容易に入れない狭い公園や河川敷での作業が該当します。
刈払機は人の手作業を効率化できるように設計されているため、大規模な草刈り作業には向いていません。
刈払機は動力源やハンドルの形状、刈刃の種類を、作業内容や環境に合わせて選びます。
草刈機は主に広範囲の草刈りに適しています。広い田畑や路肩、大きな公園などでの作業が該当します。特に搭乗型の草刈機を使用すると、効率よく大量の草を刈り取ることが可能です。
小型の草刈機も存在しますが、これらは広い範囲を効率よく刈り取るために設計されていることが多く、場合によっては複数の小型機を使って広範囲の作業を行うこともあります。
搭乗型の草刈機は大規模な作業で便利で、一人で広いエリアの草を素早くかつ効率よく刈り取れます。機械の大きさと力によって、人力や小型の機械では難しいような作業もスムーズに行えるでしょう。
刈払機と草刈機の違いについて解説しました。
草を刈り取るための小型機器が刈払機、大型機器が草刈機と表されるのが一般的です。ただし、メーカーによっては小型機器でも「草刈機」との表記をしているものもあります。
それぞれの違いを知り、作業内容に合わせた機器を選べるよう、この記事を参考にしていただければと思います。
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