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トラクターが突然動かなくなったら、何が原因だと思いますか?
多くの場合、原因は意外と身近なところに潜んでいます。そのひとつが、バッテリーのトラブルです。
しかし、トラブルへの適切な対策を知っていれば、不測の事態でも焦らずに済みます。
本記事では、トラクターのバッテリー上がりについて、その原因や対処法、予防する方法について解説します。
トラクターのバッテリー上がりの原因について使用頻度、気温、経年劣化に分けて説明します。
トラクターのバッテリーは、使用していない間も少しずつ電気を放出し続けます。
農作業のオフシーズンなど、長期間使わない時期に放電が進み、エンジンがかからなくなることがあります。
久しぶりにトラクターを使用しようとした際に、バッテリーが上がっており動かなくなっている状態です。
この問題を防ぐためには、長期間使用しない時期にはバッテリーケーブルを外すなどの対策が有効です。
バッテリーは寒い環境に弱く、低温では化学反応が鈍くなり蓄電効率が下がります。
また、寒い時期はエンジンオイルも固くなるため、エンジンを始動させるために通常よりも多くの電力を消費します。
寒い時期にはバッテリー上がりが特に起こりやすくなるため、冬場は特に注意が必要です。
一般的にバッテリーの寿命は、2~3年程度とされています。
使用頻度によっても劣化の度合いは異なりますが、2年以上経過して不具合が目立ち始めた場合は、寿命が近づいていることを疑ってみましょう。
バッテリーは消耗品であり、定期的なメンテナンスにより寿命を延ばすことができます。
しかし、寿命が近づくと突然の故障のリスクもあるため、定期的に交換するのが理想的です。
トラクターのバッテリーが上がった場合の対処法は、以下の通りです。
バッテリーが古くなっている場合、最も確実な対処法は新品のバッテリーに交換することです。
バッテリー交換は自分でも行えます。大きな手順は、次のようになります。
このようにバッテリー交換は難しいものではなく、必ずしも修理業者に依頼する必要はありません。
ただし、プラス・マイナス端子の取り外し・取り付けの順番と、バッテリーの型式に間違いがないかについて、十分注意する必要があります。
バッテリーがまだ寿命を迎えておらず、使用期間内であれば、バッテリーの充電ができます。
バッテリーの充電には、充電器を利用する方法があります。手順は以下の通りです。
なお、バッテリー充電前にはバッテリー液を確認し、液面がLOWER LEVEL近くまで低下して不足している場合、補水してから充電します。
バッテリー充電中は、引火の危険があるため火気厳禁です。
緊急時にエンジンを始動させるためにはジャンピングスタートが有効です。
ジャンプスターターを使用する場合、ブースターケーブルをバッテリーとジャンプスターターに正しい順序で接続します。
ジャンプスターターを始動させた後、トラクターのエンジンをかけ、その後ケーブルを外します。
また、救援車を使う場合も同様の手順で、救援車のエンジンをかけてからトラクターのエンジンを始動させ、ケーブルを外します。
どちらの方法も正しい順序で行うことが重要です。
バッテリー上がりが頻繁に起こる場合、オルタネーターをチェックしましょう。
オルタネーターとは、自動車の発電装置です。エンジンの回転がオルタネーターに伝わることで発電し、このとき発生した電力がバッテリーに蓄えられます。
つまり、オルタネーターが正常に動作していないと、エンジンは動いていてもバッテリーに充電されないため、電力不足に陥ります。
これが繰り返されると、バッテリーが上がる原因となるのです。
オルタネーターの故障や不調は、バッテリー警告灯の点灯や異音、電圧低下などのサインで気づくことができます。
バッテリー上がりが頻発する場合、バッテリー自体の問題だけでなく、オルタネーターの性能低下や故障が原因である可能性が高いです。
トラクターのバッテリー上がりを予防するには、以下の方法があります。
それぞれ説明します。
トラクターのエンジンを定期的に始動させることは、バッテリーを充電することを意味します。バッテリーが長持ちする効果もあります。
使用頻度が少ない時期は、最低でも3か月に1回はエンジンを約30分間かけてバッテリーを充電すると良いでしょう。
これにより、バッテリーの寿命を延ばすことが可能です。
バッテリー内の電解液の量は定期的にチェックする必要があります。
バッテリー側面に記載されている「UPPER」と「LOWER」の間に液量があることを確認し、必要であれば適量を補充します。
液量が適切でないとバッテリーの性能が低下する恐れがあります。
エンジン起動時のセルモーターの回り具合やホーン、ウインカー、ライトなどの電気系統をチェックして、異常がないか確認します。
これらに問題がある場合、バッテリーの充電が不十分な可能性があるため、充電が必要になります。
バッテリーが車体にしっかりと固定されているかを確認します。
金具が緩んでいると配電に影響が出るため、緩みがあれば適切に締め直す必要があります。
ただし、締めすぎには注意しましょう。
バッテリー本体にひび割れや膨れ、液漏れ、端子部分に白い粉が付着していないかをチェックします。
これらの症状がある場合は、バッテリーの寿命が近づいている可能性が高いので、早めの対処が必要です。
農場での1日がスムーズに進むためには、トラクターが頼りです。
今回ご紹介したバッテリー上がりの原因を知り、その対処法を実践することで、突然のトラブルでも困惑することなく対処できます。
バッテリーの問題は、適切な知識と少しの注意で簡単に予防もできます。
これらのポイントを日々のメンテナンスに取り入れ、安心してトラクターを使い続けられるようにしておきましょう。
バッテリー上がり以外の、トラクターのエンジンがかからない原因についても参照ください。
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