農業の種類とは?おさらいしておきたい基礎知識を分かりやすく解説

農業の世界は、実はとても多彩です。作物を育てる農業といっても、米や野菜を栽培する方法から果樹や花を育てる方法まで多岐にわたります。

また、動物を飼育する畜産農業や、農産物の加工・販売など農業に関連するビジネス全般を指すアグリビジネスも存在します。

本記事では、農業の種類についておさらいしておきたい人のために、耕種農業、畜産農業、アグリビジネスについて解説しました。

これから農業を始めるための基礎知識を調べている人も、参考にしてください。また、主な農機具の種類について説明した記事もご覧になってください。

目次

農業の大分類

稲を刈る農家

農業の大分類のうち、私たちが想像しやすいのが耕種農業と畜産農業でしょう。またそれ以外には、アグリビジネスという分類もあります。まずは、これら農業の大分類について解説します。

耕種農業

耕種とは、水稲や雑穀、豆類、いも類、野菜、果樹などの栽培を意味します。しいたけやたけのこ、こうぞなどの場合も、施肥(土壌に肥料を施すこと)を行っている場合には耕種と見なされます。

耕種農業においては、作物を育てるための土壌管理、水やり、肥料の施用、害虫の防除などが主要な作業となります。また、土地の性質や気候条件に合わせて作物を選び、最適な栽培方法を採用するのが重要です。

畜産農業

畜産農業とは、動物を飼育してその産物(肉、乳、卵、皮、毛など)を生産する農業のことを指します。牛、豚、鶏、羊、ヤギなどの家畜が主要な対象であり、それぞれの動物に応じた飼育方法や管理技術が必要です。

畜産農業は、動物の健康管理、飼料の選定、繁殖の管理、感染症の予防などが大切な作業となります。近年では、消費者の健康志向に合わせた無農薬、無添加の飼料の使用や、動物福祉を考慮した飼育方法が注目されています。

アグリビジネス

アグリビジネスとは、農業に関連するビジネス全般を指し、農業生産そのものに加え、加工、流通、販売、マーケティング、輸出入、農業技術の開発、農業関連機器の製造・販売など、農業を取り巻くさまざまなビジネスが関係します。

デジタル技術やAI、IoTを活用したスマート農業の展開、食品の安全性を確保するためのトレーサビリティシステムの構築、農産物のブランド化などもアグリビジネスの一環として注目されています。

耕種農業の種類

主な耕種農業の種類を紹介します。

  • 稲作
  • 畑作
  • 露地野菜
  • 施設野菜
  • 果樹
  • 花き

では、それぞれの詳細を解説します。

稲作

稲作

稲作とは、主に米を栽培するための農業を指します。水田を使って行われることが多く、日本を含むアジア地域ではよく見られる農業形態のひとつです。

稲作は、種をまいてから苗を育て、田植え、水田・稲穂管理、収穫というスケジュールを経て行われます。栽培には大量の水が必要であるため、田んぼの水管理が非常に重要なポイントです。

また、稲作には湿田(常に水がある田)と乾田(収穫期に乾く田)があり、各地域の気候や水資源に応じて適切な方法が選ばれます。

畑作

じゃがいも

畑作とは、田んぼではなく畑で行う作物栽培のことを指します。田んぼと畑の違いは、用水を利用するかしないかの違いであり、田んぼは灌漑施設を利用しますが、畑は用水路などの灌漑施設を利用せずに耕作します。

小麦や大麦、とうもろこしなどの穀類、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類穀、大豆や小豆などの豆類などが畑作の代表的な作物です。

畑作は水田と違い、水の管理はさほど必要ないものの、土壌の性質や栄養バランスを保つために、土壌改良や適切な施肥が重要です。

また、複数の作物を交互に栽培する「輪作」や、異なる作物を同時に同じ畑で栽培する「間作」を取り入れることで、土壌の肥沃度を保つ工夫も行われています。

露地野菜

大根

露地野菜とは、ビニールハウスや温室などの施設を使わずに、屋外の環境下で栽培される野菜のことを指します。露地栽培は、土壌や気温、日照、降水量などの自然条件を利用して行われるため、栽培には季節や気候が大きく影響するのが特徴です。

代表的な露地野菜には、大根や人参などの根菜、白菜、キャベツ、レタスなどの葉物野菜などがあります。露地野菜は、施設を使用しない分、初期投資や運営コストが比較的低い一方で、天候や害虫、病気などのリスクがあります。

施設野菜

ビニールハウス

施設野菜とは、ビニールハウスや温室などの施設を使って栽培される野菜のことを指します。施設栽培は、気温や地温、光量、土壌の水分管理などが細かくコントロールできるため、季節に関係なく1年中安定して作物の生産ができます。

トマト、キュウリ、レタス、ピーマンなどの野菜が代表的な施設栽培の作物です。施設栽培のメリットは、外部の気候条件や害虫の影響を最小限に抑えながら、高品質で安定した収穫を得られる点です。

施設栽培は温度や湿度などの生育状況をコントロールしやすいため、データを収集・活用してIT化が進んでおり、今後もさらに発展が見込まれる分野です。

果樹

りんご

果樹とは、樹木にできた植物の果実を食用として育てることを指し、代表的な果樹には、リンゴ、ミカン、ブドウ、サクランボ、モモ、ザクロなどがあります。

果樹栽培は、木の成長に時間がかかるため、長期的な計画が必要であり、土壌の性質や地域の気候条件に適した品種の選定が求められます。また剪定、施肥、灌水、病害虫防除などの管理も必要です。

果樹栽培では、栽培技術や収穫後の処理方法の工夫によって、より美味しく質の高い果実を生産できます。

花き

バラ

花き(かき)とは、観賞用の花や観葉植物を栽培する農業のことです花き農業には、切り花、鉢物、球根、花壇用苗物などさまざまな形態で栽培されます。

代表的な花きには、バラ、カーネーション、チューリップ、ラン、シクラメンなどがあります。花き栽培は、美しさや色合い、香りを重視するため、品質管理や育成方法に工夫が必要です。

日本の花き市場は、世界的に見ても品質が高いことで知られ、多くの品種が栽培されています。しかし、少子高齢化や若者のライフスタイルの変化により、さまざまな課題を抱えているのも事実です。

畜産農業の種類

畜産農業には、主に以下の種類があります。

  • 酪農
  • 肉牛
  • 養豚
  • 養鶏

では、それぞれ見ていきましょう。

酪農

酪農

酪農とは、主に牛乳を生産するために乳牛(にゅうぎゅう)を飼育する農業のことを指します。代表的な乳牛としてホルスタイン種があり、農家によってはジャージー種を取り入れている場合もあります。

酪農では、牛乳の生産量や乳質をいかに高められるかが重要です。そのため、牛の健康管理や飼育環境の維持が欠かせず、適切な飼料の提供、栄養管理、搾乳技術の改善が行われています。

酪農はまた、牛乳の生産だけでなく、その加工品(バター、チーズ、ヨーグルトなど)の供給にも関連しており、地域の経済や食文化に大きな影響を与えています。

肉牛

黒毛和牛

肉牛の飼育とは、食肉用に牛を育てる畜産の一種です。肉牛として代表的な品種には、黒毛和種(和牛)、ホルスタイン種などがあります。ホルスタイン種のメスは搾乳用に育てられるのに対して、オスは肉牛用になります。

肉牛の飼育は、肉質を高めるための飼料管理と、ストレスの少ない環境作りが欠かせず、特に和牛の飼育では、きめ細かな霜降りを作るために、飼料の配合や育成環境の調整が行われます。

肉牛の飼育には、放牧や舎飼い(しゃがい)といった方法があり、放牧は自然環境の中で牛を自由に動かしながら育てる方法で、舎飼いは牛舎内で牛を管理し、飼料を与えて育てる方法です。

養豚

養豚

養豚とは、豚を飼育して食肉を生産する畜産業のひとつです。養豚には豚肉を生産するために、豚を飼育、繁殖させ、最終的に出荷するまでの各工程を含みます。国内で飼養されている豚の品種には、ランドレース種、デュロック種、バークシャー種などがあります。その他には、鹿児島の黒豚や沖縄のアグー豚などが有名です。

豚は成長が早く、繁殖力が高いため、効率的な肉生産が可能で、畜産業の中でも重要な位置を占めています。養豚では、出荷までの成長段階に応じて、離乳、肥育、出荷といった各段階での管理が行われ、特に病気の予防と感染症対策が重視されます。

養鶏

養鶏

養鶏とは、鶏を飼育して卵や肉を生産する畜産業のことを指します。卵を生産するための養鶏が「採卵養鶏」で、肉を生産するためのものが「肉用養鶏」です。

採卵養鶏では、卵を産むために育てられる鶏が中心で、レイヤー種(卵用種)と呼ばれる鶏が飼育されます。肉用養鶏では、ブロイラー種(肉用種)が飼育され、早期に出荷されることが多いです。

養鶏は比較的少ない土地で高密度に生産が可能であり、効率的に食料を供給できるのが特徴です。しかし、異常なまでに高い飼育密度は動物福祉を低下させ、またストレスから病気を発生させることもあるため、問題視されています。

農業を始める方法

農業を始める方法には、大きく分けて以下の3通りが考えられます。

  • 新規就農する
  • 既存農家を継承する
  • 雇用就農する

初めて農業を営むなら、まずは給与を得ながら実際の作業を経験できる雇用就農がおすすめです。では、それぞれ説明します。

新規就農する

新規就農とは、農家としての家系に属さない人や、これまで農業に従事したことがない人が新たに農業を始めることです。新規就農には、まず農地の確保が必要であり、農地を購入するか、借りるかの選択があります。また、栽培する作物や飼育する家畜の種類を決め、それに応じた設備や機械、技術を習得する必要があります。

新規就農者は、農業の経験が少ないことが多いため、農業研修施設や農家で研修を受けるのが実践的な農業を覚える近道です。また、自治体や農協などの支援制度を活用すれば、技術面や資金面でのサポートを受けながら農業をスタートすることもできます。

既存農家を継承する

既存農家の継承は、既に農地や農業機械、設備、そして顧客基盤などのリソースが整っているため、初期投資が少なくて済むメリットがあります。

継承者は、家族から農業技術や経営ノウハウを学べ、農業の現場での経験を積みながら、スムーズに経営者としての役割を引き継ぐことができるでしょう。

ただし、継承には親族間での経営方針の調整をし、また農業の効率化や新しい技術の導入を図りながら、家業としての農業を現代に合わせて進化させていくことも求められます。

雇用就農する

雇用就農とは、既存の農家や農業法人に就職し、雇用者として農業に従事する方法です。雇用就農は、農業を始める前に現場での経験を積むための良い手段であり、農業の基礎知識や技術、さらには農業経営について学ぶ機会を得られます。

雇用者として働くことで、農業の実務を直接体験し、リスクを抑えながら就農の可能性を探ることができるため、新規就農の前段階として選ばれることも多いです。農業法人や企業が提供する求人情報を通じて、就農の機会を見つけられます。

雇用就農は、初期費用を抑えながら農業に携わることができるため、農業に興味があるものの、リスクを取りたくないという人に適しています。さらに、雇用先での実績や経験をもとに、将来的に独立就農や農家の継承を目指すことも可能です。

まとめ

農業には大きく分けて、作物を育てる「耕種農業」、家畜を育てる「畜産農業」、そして農業関連ビジネスを指す「アグリビジネス」があります。

耕種農業では、米や野菜、果樹、花など多様な作物の栽培が含まれ、気候や土壌に合わせた技術や工夫が求められます。畜産農業は牛や豚、鶏を育て肉や乳製品、卵を生産し、動物の健康管理と品質の向上が重要です。アグリビジネスは農産物の加工や販売、技術開発など、農業の枠を超えたビジネスを展開し、価値を高める役割を果たします。

農業を始める方法には、新規就農、既存農家の継承、雇用就農などがあり、どの方法を選ぶにせよ、農業には多くの挑戦と学びがあります。自分に合った方法で農業を始めることで、食の安心・安全に貢献しながら、やりがいのある新しい人生をスタートできるでしょう。

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