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「トラクターって、だいたいいくらくらいするんだろう」と調べ始めて、価格の高さに驚いた方も多いのではないでしょうか。小型機でも新車なら100万円を超えるのが当たり前で、中型以上になると300万・500万円はざらです。
馬力・メーカー・タイヤ形状・搭載機能など、価格に影響するポイントを知っておくと、カタログを見たときに「自分にはこのあたりが合いそう」という判断がしやすくなります。予算と用途の整理にも役立つため、購入前にひと通り押さえておくことをおすすめします。
この記事では、価格を左右する要因の解説から国内主要メーカーの新車価格比較、諸経費・維持費まで順を追って整理しました。「予算内で自分に合った一台を選びたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
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トラクターの新車価格は、馬力・メーカー・搭載機能によって大きく幅があります。
クボタやヤンマーなどの主要メーカーの製品ラインナップにおいて、10〜20馬力クラスの小型トラクターやエントリーモデルは100〜200万円台の価格帯で販売されています。一方で、 100馬力を超える大型トラクターは、国内メーカー製および海外製(ジョンディア、ニューホランド等)を含め、本体価格だけで1,000万円を超えるケースが一般的です。
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また、農業界では長らく「1馬力=10万円」が新車価格の目安といわれてきました。しかし、近年のICT機能などによる高機能化や資材高騰により、車両価格は上昇傾向にあります。実際に、ヤンマーYT223Aのように、23馬力の高機能モデルが約330万円(税込)で販売される例もあります(約14.3万円/馬力)。
このように、従来の「1馬力=10万円」だけでなく「1馬力=10〜15万円」という幅を持たせた目安を想定したほうが、より実勢価格を反映しているといえるでしょう。

ここでは、トラクターの新車価格を決める主な要因を、以下の5つに分けて考えます。
これらの違いで、同じ馬力のトラクターでも倍近い価格差を生むこともあります。特に近年のスマート農業対応モデルは、従来機よりも価格が高くなりやすいといえます。
馬力(PS)は、トラクター価格のもっとも基本的な指標です。1馬力あたり10〜15万円がひとつの目安となることは前述の通りですが、大型化するほど排ガス規制対応(Tier4など)のコストが嵩み、単価が上昇しがちです。
現在の新車価格は排ガス規制対応や資材高騰の影響もあり、10〜15PSクラスでも100万〜200万円程度が実態の相場です。例えば、クボタのエントリーモデル「BullStar EXTRA(10.5PS)」は約126万円(税込)からとなっています。
馬力が上がると価格の伸びも急になり、20〜30PSクラスで300万円を超えるモデルが登場し、45〜50PSクラスになると600万〜700万円前後が標準的な価格帯となってきます。
トラクターの価格はメーカーによっても異なります。クボタ・ヤンマー・イセキといった国内主要メーカーは、品質・サポート体制・販売網に強みがあり、同じ馬力帯でもメーカーによって数十万円単位の差が出ることがあります。
長く使う農機だからこそ、価格だけでなくアフターサービスの充実度も考慮に入れたいものです。信頼できる国内メーカーは初期投資がかさみがちですが、将来的なリセールバリューも維持されやすいため、買い替え時に買取を利用すれば高値で売りやすいでしょう。
トラクターの足回りはホイール・セミクローラ・フルクローラに分かれ、同じ馬力帯でもこうした形状によって価格が大きく変わります。標準的な四輪ホイール仕様は、公道走行がスムーズでメンテナンス費用も抑えられるため、もっとも普及しているタイプです。
一方で、前輪がタイヤ・後輪がクローラ(キャタピラ)になっているハイブリッドタイプがセミクローラで、ホイールの操作性とクローラの牽引力を両立しています。そして、ブルドーザーのように前輪・後輪ともクローラになっているのがフルクローラになります。
クローラは接地面積が広いため接地圧が低く、タイヤでは沈んでしまうような深い湿田でも走行・作業が可能です。ただし、構造が複雑で部品点数が多いため、ホイール仕様に比べてクローラ仕様は製造コストが高くなります。
トラクター本体価格に加え、アタッチメントを追加することで最終的な見積総額は大きく変わります。例えば、車体後方に取り付ける耕うん用の爪であるロータリーは、多くのトラクターのセットに含まれていますが、別売りなら数十万円かかります。他にも、代掻きや溝掘り、肥料散布などの専用機を追加すればその分コストが重なるわけです。
アタッチメントはメーカー純正品のほか、社外品も流通しています。純正品は適合性が高い一方、社外品は価格が抑えられているものも多く、予算に応じて使い分けている農家も少なくありません。
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近年のトラクターには、GPSを活用した自動操舵システムや遠隔モニタリング機能を搭載したモデルも登場しています。こうしたスマート機能は作業効率の向上に役立つ一方、搭載機種は価格が跳ね上がるのも事実です。
クボタのSluggerシリーズなど、直進アシスト機能を搭載するだけでも約50万円高くなる例もあります。また、高精度な自動操舵や無人運転対応モデル(ロボットトラクター)になると、数百万円単位での価格上昇が見られます。
こうしたスマート農業の導入には、農林水産省や自治体の補助金精度が整備されているため、うまく活用することが重要です。
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国内トラクター市場はクボタ・ヤンマー・イセキ・三菱マヒンドラの4社が中心です。耐久性・デザイン・コスパ・小型機の充実度など、メーカーごとに強みが異なります。
まずは、代表的な4社の比較表をご覧ください。
| メーカー | キーワード | 主な特徴・強み | 向いているひと |
|---|---|---|---|
| クボタ | 耐久性・信頼 | 壊れにくい、下取りが高い、部品供給が安心。 | 長く使いたい、リセールを気にする、湿田が多い。 |
| ヤンマー | デザイン・快適 | カッコいい外観、疲れにくいキャビン、燃費が良い。 | 見た目にもこだわりたい、長時間作業する、新しいもの好き。 |
| イセキ | コスパ・実用 | 価格が安い、機能が必要十分、整備しやすい。 | 初期費用を抑えたい、実用性重視、コスパ最優先。 |
| 三菱 | 小型・頑丈 | 小型機の選択肢が多い、独自の水平制御技術。 | 小規模農家、家庭菜園、傾斜地での作業がある。 |
なお、ジョンディアやマッセイファーガソンなど海外メーカーを含めた国内外のトラクターメーカーについては、下記の記事で言及しています。
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「迷ったらクボタ」といわれるほど、国内シェアトップの安定感と資産価値が強みです。故障が少なく長期間使える頑丈な作りに定評があり、80〜90年代のモデルが現役で流通しているケースも珍しくありません。中古市場での人気も高く、売却時の下取り価格が他メーカーより高くなる傾向があります。
自社製エンジンや油圧システムの技術力も高く、特に湿田作業向けの「パワクロ(セミクローラ)」は農家から厚い支持を得ています。小型から大型・スマート農機まで幅広いラインナップを持ち、部品供給網の充実度も魅力のひとつです。
工業デザイナー奥山清行氏による「プレミアムデザイン」を採用しており、従来の農機のイメージを一新したスタイリッシュな外観がヤンマートラクターの特徴です。キャビンの居住性・操作性が高く、長時間の作業でも疲れにくい設計として評価されています。
ディーゼルエンジンのパイオニアとして燃費性能とパワーを両立したエンジンを搭載しており、スマート機能面でも「スマートアシスト」による遠隔監視や直進アシスト機能の使いやすさに定評があります。
同等スペックの他社製品と比べて割安な価格設定のモデルが多く、コストパフォーマンスの高さが農家から支持されています。「さなえ(田植機)」で有名ですが、トラクターでもセミクロ仕様や変速操作が容易なトランスミッションなど、使い勝手のよい機能を搭載しています。
整備しやすい構造や消耗品を中心とした部品の入手しやすさも評価されており、維持費を抑えながら長く使いたい方に向いているメーカーです。
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三菱マヒンドラ農機は、13〜30馬力クラスの小型トラクターのラインナップが豊富です。兼業農家や小規模な畑を管理している方に適した、扱いやすいモデルが多く揃っています。
傾斜地でも作業機を水平に保つ「ジャイロMAC」など、現場の悩みを解決する独自機能を持っています。足回りを中心に頑丈な設計が施されており、家庭菜園や傾斜の多い土地で安定した作業を求める方に適した一台となります。

国内主要メーカーについて、馬力帯ごとに代表的なシリーズと価格帯をまとめました。なお、価格は調査時点(2026年2月28日)のものであり、時期により変動することがあります。
現行のすべてのモデルを網羅しているわけではありませんが、各社のラインナップや大まかな予算感をつかむための目安として役立つ内容になっています。
表内では、馬力ごとに該当する主なシリーズを挙げ、その「シリーズ全体の価格帯」や「代表的な機体の価格」を記載する形をとりました。まずはこの基本となる相場観を知っておくことで、ご自身の農地や作業規模に合う一台をスムーズに探していけるはずです。
| メーカー | 主なシリーズ | 価格の目安(税込) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| クボタ | Bull Star EXTRA(JB11X〜JB19X:10.5〜19PS帯の一部) | Bull Star EXTRAシリーズ:1,262,800 ~ 2,994,200円 | 株式会社クボタ|Bull Star EXTRA |
| ヤンマー | GK(13.0〜18.5PS) | GKシリーズ:1,732,500〜2,223,100円 | ヤンマー|トラクターシリーズ別ラインアップ |
| イセキ | TQ3(14〜17.5PS) | 不明 | 井関農機株式会社|TQ3シリーズ |
家庭菜園や小規模な畑の管理作業に向いたクラスです。新車でも100万円台から購入できる馬力帯で、トラクター導入のハードルが比較的低くなります。
| メーカー | 主なシリーズ | 価格の目安(税込) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| クボタ | GRANOVA(NB17〜NB23:17〜22.5PS) | GRANOVAシリーズ:2,238,500 ~ 3,488,100円 | 株式会社クボタ|GRANOVA |
| ヤンマー | GK(13.0〜18.5PS) YT1(18〜22PS) | GKシリーズ:1,732,500〜2,223,100円 YT1:1,826,000〜3,460,600円など | ヤンマー|トラクターシリーズ別ラインアップ |
| イセキ | RTS5(16.5〜25PSの下側) | RTS185:1,961,300〜2,093,300円 | 井関農機株式会社|2023年度下期新商品を発表しました |
小規模な水田や畑作の基本となる馬力帯で、200万〜300万円台が中心になります。
| メーカー | 主なシリーズ | 価格の目安(税込) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| クボタ | TERAST(ST25) | TERASTシリーズ:3,169,100 ~ 5,060,000円 | 株式会社クボタ|TERAST |
| ヤンマー | YT2A(23〜33PS) | YT2Aシリーズ:3,290,100~6,249,100 | ヤンマー|トラクターシリーズ別ラインアップ |
| イセキ | RTS5(16.5〜25PSの上側) BF25(25PS) | RTS255:2,515,700〜3,892,900円 BF25:3,358,300〜4,370,300円 | 井関農機株式会社|2023年度下期新商品を発表しました |
このクラスから本格的な農作業に対応できる幅が広がります。300万円台から上位装備では500万円超になるモデルも出てきます。
| メーカー | 主なシリーズ | 価格の目安(税込) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| クボタ | TERAST(ST31) Slugger(SL280〜350) | TERASTシリーズ:3,169,100 ~ 5,060,000円 Sluggerシリーズ:4,972,000 ~ 11,850,300円 | 株式会社クボタ|TERAST 株式会社クボタ|Slugger |
| ヤンマー | YT2A(〜33PS) YT3R(28〜57PS) | YT3Rシリーズ:4,658,500~10,082,600円 | ヤンマー|トラクターシリーズ別ラインアップ |
| イセキ | NTA335L(33PS) NT365L(36PS) | NTA335 LGQ 3,465,000円〜FFCLGQCY 4,961,000円 NT365 LU 3,465,000円〜FFCLUCY 5,016,000円 | 井関農機株式会社|ヰセキトラクタ ジアスNTA5シリーズ |
中型クラスの入口にあたる馬力帯で、本格的な水田作業や広めの畑作をカバーできます。本格的な農業を営む方にとって、心強い相棒となるサイズ感です。
| メーカー | 主なシリーズ | 価格の目安(税込) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| クボタ | Slugger(38〜60PS) | Sluggerシリーズ:4,972,000 ~ 11,850,300円 | 株式会社クボタ|Slugger |
| ヤンマー | YT3R(28〜57PS) | YT3Rシリーズ:4,658,500~10,082,600円 | ヤンマー|トラクターシリーズ別ラインアップ |
| イセキ | BF45(45PS) | BF45:5,549,500~7,969,500円 | 井関農機株式会社|2023年度下期新商品を発表しました |
多くの専業農家が主力機として使う馬力帯です。500万円前後が標準的な価格帯で、上位装備になると1,000万円に近づくモデルも出てきます。
| メーカー | 主なシリーズ | 価格の目安(税込) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| クボタ | Slugger(〜60PS) | Sluggerシリーズ:4,972,000 ~ 11,850,300円 | 株式会社クボタ|Slugger |
| ヤンマー | YT3R(〜57PS) 60PS〜はYT4Aへ | YT3Rシリーズ:4,658,500~10,082,600円 YT4Rシリーズ:8,211,500~11,726,000円 | ヤンマー|トラクターシリーズ別ラインアップ |
| イセキ | BF50/55/60 | BF50:5,891,600~8,333,600円 BF55:7,192,900~8,556,900円 BF60:6,479,000~9,003,500円 | 井関農機株式会社|2023年度下期新商品を発表しました |
大規模農業や広大な圃場での作業を想定したクラスです。500万〜1,000万円超の価格帯で、装備次第では個人農家には手が届きにくい水準になります。補助金制度の活用も視野に入れながら検討すると良いでしょう。

トラクターの購入には本体価格以外にも、税金・保険・アタッチメントといった費用がかかります。購入前に総額のイメージをつかんでおくと、資金計画が立てやすくなります。
トラクターを所有すると、自動車などと同じように税金がかかります。市町村へ納める軽自動車税(種別割)や、事業用の資産として申告する固定資産税が課税対象となります。
気をつけたいのは、公道を走るかどうかにかかわらず、トラクターを所有しているだけで申告と納税の義務が生じる点です。農地の中だけで使うつもりであっても、役所での手続きを忘れないように気をつけましょう。
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トラクターを公道で走行する場合、自賠責保険への加入が法律で義務付けられています。農作業中の事故や他人の財物への損害に備えるには、任意保険への加入も検討する必要があります。
農業機械向けの保険としては、JAが提供する農機具共済があり、盗難・火災・作業中の損害なども補償対象になります。保険料は機種や補償内容によって異なるため、購入時に販売店やJAに相談しながら内容を確認すると良いでしょう。
✅️ 合わせて読みたい:トラクター保険はどれに入るべき?補償内容と選び方をわかりやすく解説【農家向け】

新品のトラクターは数百万円単位の出費になるため、実質的な負担を減らす工夫が求められます。まずは国や自治体が設けている農業向けの補助金制度が使えないか、地域の窓口で相談してみるのがひとつの手段です。ただし補助金には審査や期限が設けられており、誰でもすぐに利用できるわけではありません。
そこで確実な資金作りの方法としておすすめしたいのが、今手元にある古いトラクターを農機具専門の買取業者に売却するアプローチです。新しい機械を買うお店でそのまま下取りに出してしまう方も少なくありませんが、専門の買取業者に依頼したほうが査定額が高くつくケースが多々あります。
専門業者は海外を含めた独自の広い販売ルートを確保しているため、国内では型落ちとなったモデルや、動かない機械であっても価値を見出して買い取ってくれます。複数社に査定を依頼してより高値で手放し、その資金を新車の購入費用に充てることで、初期費用の負担をぐっと抑えられるはずです。
この記事では、トラクターの新車価格を左右する要因から国内主要メーカーの特徴、馬力帯別の価格相場、購入にかかる諸費用まで幅広く解説しました。一口にトラクターといっても、馬力・メーカー・タイヤ形状・装備によって価格は大きく異なります。自分の農地の規模や作業内容に合った機種を選ぶことが、長く使える買い物への近道です。
トラクターの購入を検討している方は、今お持ちの農機具の売却も同時に考えてみてください。農機具買取サービス「ウルトラファーム」では、トラクターをはじめ田植機・管理機など幅広い農機具を買取しています。乗り換えのタイミングでぜひご活用ください。
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