トラックロープの結び方|南京結び・輸送結び・もやい結びを図解

軽トラックで家具や資材を運ぶとき、荷物をただロープで囲むだけでは十分に固定できません。走行中はカーブや急ブレーキによって積荷に力が加わるため、積み方や固縛が不十分だと、荷崩れや車体のふらつきにつながります。

荷物の転落や飛散を防ぐ措置を講じることは、運転者の義務でもあります。

この記事では、トラックの荷締めに使われる南京結び・輸送結び・もやい結びの特徴と手順を解説します。ロープワークに自信がないときの方法も紹介するので、安全に荷物を運ぶための参考にしてください。

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目次

トラックロープの結び方で最初に押さえること

トラックロープの結び方で最初に押さえること

結び方を覚える前に、荷崩れが起きる理由やロープの選び方を確認しておきましょう。適切に積めていなければ、結び目だけを強くしても安全には運べません。

荷崩れが起きる仕組み

トラックの積荷には、発進時には後方へ、ブレーキ時には前方へ動こうとする力が加わります。カーブや右左折では横方向にも力が加わるため、積み方に偏りがあると荷崩れや横転を招くおそれがあります。

重い物を下、軽い物を上に積み、できるだけ荷台の中央へ重心を寄せることが基本です。転がりやすい物には歯止めを設置し、ロープだけに頼らず、荷物そのものが動きにくい状態を作ってください。

ロープは素材で選ぶ

トラックの荷締めには、荷役用やトラック用として販売されているロープを使用します。扱いやすさを重視するなら、ビニロンや、ポリエチレンにビニロン・ポリエステルを混ぜたPV・KPロープが選択肢になります。

ポリエチレンだけのロープは軽くて水に強い一方、硬く滑りやすい性質があります。素材名だけで判断せず、太さや使用荷重、メーカーが示す用途を確認しましょう。毛羽立ち、切れ、変色、硬化が見られるロープは使用を避けます。

覚えるのは3つの結び方

軽トラックで一般的な荷物を運ぶなら、まずは次の3つを覚えておくと使い分けやすくなります。

  • 南京結び(万力結び):ロープを強く張り、大きな荷物を押さえる
  • 輸送結び:複数の荷物やかさばる荷物をまとめて締める
  • もやい結び:荷台のリングなどに縮まない輪を作る

南京結びと輸送結びは、現場や解説によって呼び方や細かな手順が異なります。本記事では、途中の輪を二重に巻いて強く固定する方法を南京結び、荷台フックに掛ける長い輪を作る方法を輸送結びとして解説します。

南京結びの結び方

南京結びの結び方

荷台でいちばん使うのが南京結びです。ロープを引くと滑車のように力が増し、緩く張ったロープをぐっと締め上げられます。一度決まれば走行中の振動でもほどけにくく、大きく重い荷物ほどこの結びの働きが生きてきます。

南京結びが向いている荷物

南京結びは締めたところでロープの端を固定できるので、アジャスターのように張りを保てます。トラクターの部品や肥料の袋、コンテナのような重量のある荷を、動かさずに押さえたいときに向いています。

逆に、やわらかい野菜や段ボールのように潰れやすい荷では力がかかりすぎることがあります。そうした荷は、次に紹介する輸送結びや当て布と組み合わせると安全です。

結ぶ手順

  1. フックに掛けて小さな輪を作る
    反対側のフックにロープを掛けて荷物の上を通し、手前側のフックから60cmほど離れた位置で小さな輪を作る。この輪は本線の下ではなく、上に重ねる。
  2. 上の輪をもう一方の輪にくぐらせる
    本線側にできたもうひとつの輪へ、いま作った上の輪を下からくぐらせて上方向に引っ張り出す。
  3. 輪をねじる(ダブル)
    引き出した輪を左から右へ交差させる。1回でも結べるが、2回ねじる(ダブル)と結び目がほどけにくくなり、より強固に固定できるためおすすめ。
  4. ロープを手前に引いてフックに掛ける
    交差させた状態のまま、下に向かっている1本のロープを手前へ引く。引き出した部分を荷台のフックに掛ける。
  5. 下に引っ張って全体を締める
    ロープの先端を下方向に引っ張り、全体を引き締める。強く引きすぎるとフックが歪むことがあるため、荷物がブレない程度に調整しておく。
  6. 数字の6を作ってロックする
    ロープが緩まないよう、先端側で数字の6のような形を作る(ロープの端が上に来るように交差)。この輪をそのままフックに掛けて下に引き、ロック完了。
  7. 余ったロープを処理する
    不安なときはロックの工程をもう一度繰り返す。余ったロープは隙間に挟み込んで、はみ出さないように処理すれば仕上がる。

締めたあとの張り確認

結び終えたら、必ず荷物を手で押して動かないかを確かめ、ぐらつくようなら締めが足りないので、ためらわず結び直します。走り出す前のこのひと押しが、荷崩れをいちばん確実に防ぎます。

輸送結びの結び方

輸送結びの結び方

輸送結びも、トラックの荷締めで広く使われる結び方です。南京結びと途中までの手順が共通しており、仕組みも似ていますが、より強い締め付け力で固定できるのが特徴です。

南京結びとの違いと使い分け

南京結びと輸送結びは、どちらも滑車の原理で締め込むタイプの結びで、途中まではほぼ同じ手順です。違いは締め込みの強さとほどきやすさにあります。

  • 南京結び……結ぶのもほどくのも比較的かんたん。素早く積み下ろしたいときや、頻繁に結び直す作業向き
  • 輸送結び……締め付け力が強く、しっかり固定できる反面、ほどくのに手間がかかる。長距離・長時間の輸送で、確実に固定したいとき向き

まずは南京結びを基本にして、より強固に固定したい重量物や長距離輸送で輸送結びを使う、という使い分けが分かりやすいでしょう。

結ぶ手順

輸送結びは、序盤(フックに掛けて荷物の上を通す)は南京結びと同じです。ここからは輸送結び独自の通し方で、動滑車の原理を使って少ない力で強く締め込みます。

  1. ロープを掛けて輪を作る
    荷物の反対側のフックにロープを掛け、荷物の上を通す。右手でロープをつかみ、途中に小さな輪(ループ)をひとつ作る。
  2. 輪を本線の輪に通す
    左手で本線側に大きめの輪を作り、いま作った小さな輪をその中へ通す。
  3. 後ろから回して間に通す
    右手で持っている小さな輪を、本線の後ろ側からぐるりと回す。回したときにできた隙間に、もう一度小さな輪を通す。
  4. 上下に引っ張って固定する
    ロープを上下に引いて結び目を固定する。これで上部の土台となる輪が完成する。
  5. 下の輪に先端を通す
    強度を上げるため、できた下の輪を1〜2回ねじってから、余っているロープの先端を通す。
  6. フックに掛けて全体を締める
    ロープを荷台のフックに掛け、下方向に引いて全体を締め付ける。腕の力だけでなく、ロープに足をかけて体重を乗せると体への負担が減る。
  7. 逆ロックで固定する
    ロープを上側に持っていき、フックの下側に掛けて引っ張る「逆ロック」で留める。抜けが心配なときは2回繰り返し、しっかり固定できれば完成。

複数箇所を固定するときは、隣のフックへ移って繰り返します。締め付け力が強いぶん、締めるときの力加減がそのまま荷物への負担になります。次に、荷物を傷めない締め方を押さえておきましょう。

荷物を傷めない締め方

輸送結びは締め付け力が強いため、締めすぎると荷物を傷めてしまうことがあります。木材や家具、塗装面のある機械などを固定するときは、注意が必要です。

対策としては、ロープが荷物の角に直接当たる部分に当て布や養生材をかませる方法が有効です。角でロープに力が集中すると、荷物にもロープにも負担がかかります。角を保護しておけば、荷物を守れるだけでなく、ロープの摩耗も抑えられます。

もやい結びの結び方

もやい結びの結び方

もやい結びは、大きさの変わらない輪(ループ)を作る結び方です。結びの王様とも呼ばれる基本のロープワークで、荷締めそのものというより、フックや荷物の取っ手にロープを固定する場面で使います。

もやい結びの使いどころ

もやい結びの強みは、輪の大きさが締まらず一定に保たれることです。締め込む南京結びとは役割が違い、ここに輪を作って引っ掛けたいというときに使います。

例えば、荷物の取っ手やフックにロープの端を固定する、荷台の決まった位置に輪を作って掛ける、といった用途です。荷重がかかっても輪が締まって食い込まないので、あとからほどくのもかんたんです。南京結びや輸送結びと組み合わせて、もやい結びで固定点を作り、南京結びで締めるといった使い方もできます。

結ぶ手順

  1. 先端に余裕を持たせる
    結び目を作るスペースとして、ロープの先端から40cmほどの長さを確保し、左手で持つ。
  2. 数字の6の形を作る
    左手側のロープで、数字の6の形になるように小さな輪を作る。交差する部分はロープの先端側が下になるように重ねておく。
  3. 先端を輪の下から通す
    右手で持っているロープの先端を、いま作った輪の下側から上へ通す。
  4. 本線の後ろを回す
    輪を通したロープの先端を、左手で持っている本線(長いほうのロープ)の裏側に回す。
  5. 再び輪の上から通す
    本線の裏を回した先端を、今度は輪の上側から下に向かって入れ込む。
  6. 両端を引っ張って引き締める
    左手で本線を上方向に、右手で輪の部分を下方向に引っ張って全体を絞る。上下に引っ張り合う状態を作れれば、ほどける心配はない。

作りたい輪の大きさは、手順2で6を作る段階で調整しておくと仕上がりが安定します。

外れやすいときの見直し

もやい結びがほどけやすい・外れやすいと感じるときは、結び目の締め込みが足りていないことが多いです。端側と立ち側の両方をしっかり引いて、結び目を固く締めてください。

また、端の余り(ロープの先端)が短すぎると、荷重がかかったときに結び目から抜けることがあります。先端は長めに残しておくと安全です。振動の多い輸送では、念のため先端を別途結び留めておくとより確実です。

ロープワークが不安なときの選択肢

ロープワークが不安なときの選択肢

結び方を覚えても、重さや形状によってはロープだけで安全に固定できない荷物があります。積載に不安があるなら、専用器具や運搬サービスを利用しましょう。

ラッシングベルトという手段

ラッシングベルトは、ラチェットやカムバックルを使って荷物を締める器具です。ロープのように複雑な結び目を作る必要がなく、一定の力で固定しやすいため、ロープワークに慣れていない人にも向いています。

製品ごとに使用荷重やフックの形状が異なるため、荷物の重量と荷台の固定部分に合うものを選びます。ベルトの摩耗や切れ、金具の変形を点検し、鋭い角には当て物を使用してください。

重い農機具は無理に積まない

耕運機や管理機などは、見た目以上に重量があり、重心も安定しているとは限りません。積み降ろしの途中でスロープから外れたり、荷台で車輪が動いたりすると、ロープを結ぶ前に事故が起きるおそれがあります。

重量物はロープだけで押さえず、輪止めや止め木、適切な使用荷重を持つワイヤーロープ・チェーン・荷締機などを組み合わせる必要があります。積載設備や固定器具を用意できないときは、運搬業者へ依頼してください。車種ごとに積める重量や荷台の形状は「トラックの種類を一覧で整理」で確認できます。

運ぶ前に売るなら出張買取

使わなくなった農機具を処分するために運ぼうとしているなら、自分で軽トラックへ積む必要があるかを考えてみましょう。売却が目的なら、農機具の出張買取を利用することで、積み込みや運搬を業者に任せられます。

自走できない農機具や、長期間動かしていない機械でも、部品や海外販路の需要によって査定対象になることがあります。運搬に使ってきたトラック自体を手放すときの相場や売り方は、「中古トラック買取の相場と高く売るコツ」で整理しています。無理に運んで農機具やトラックを傷める前に、まずは出張査定で売却できるか確認する方法があります。

✅️ 合わせて読みたい:農機具買取業者のおすすめ13選!安心・安全に高価買取が実現できる

トラックのロープの結び方でよくある質問

トラックのロープの結び方でよくある質問

最後に、トラックのロープワークでよく出る疑問に答えます。

軽トラのロープは何メートルあればいい?

ロープの必要な長さは、荷物の高さや固定する箇所の数によって変わります。購入前に「荷台フックから荷物の上を通り、反対側のフックへ届く長さ」を測り、結び目と端末処理に使う分を加えましょう。

軽トラック用としては、長さ20mのトラックロープが多く販売されています。ただし、荷台の前後左右にまたがる離れた固定点を1本の長いロープで無理につなぐより、適切な長さのロープを複数本使い、エリアごとに分けて固定するほうが、それぞれの張りを個別に確認しやすくなります(近くにある荷物同士を1本のロープでまとめて縛るときは、この限りではありません)。

結び方が覚えられないときは?

まずは南京結びひとつだけに絞って、繰り返し練習するのがおすすめです。頭で覚えるより、手を動かして体で覚えたほうが定着します。図解や動画を見ながら、実際にロープを手に持って何度か結んでみてください。

それでも不安なら、無理をせずラッシングベルトを使えば、結びの技術がなくても確実に固定できます。

ロープとゴムバンドはどちらがいい?

荷物本体をしっかり固定するならロープ(またはラッシングベルト)、荷台シートの押さえや軽い荷崩れ防止の補助ならゴムバンド、という使い分けが基本です。

ゴムバンドは着脱がかんたんで便利ですが、伸びるぶん固定力が安定せず、走行中に緩みやすくなります。

まとめ

トラックの荷締めは、南京結び・輸送結び・もやい結びの3つを覚えておけば、たいていの荷物に対応できます。

ただし、結び方を覚えるだけでは荷崩れを防げません。重心が偏らないように積み、ロープの素材や傷みも確認した上で、出発前と走行途中に張りを点検してください。

重い農機具や積み込みが難しい機械を売却するために運ぶなら、無理に軽トラックへ載せず、農機具買取の出張サービスを利用する方法もあります。

安全に運べる準備が整っていないときは、自分で運ぶ以外の選択肢を検討しましょう。

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