小型トラクターの新車価格はいくら?馬力別の目安と選び方を整理

小型トラクターを検討するのは、こんな人ではないでしょうか。

  • 家庭菜園を広げ始めた
  • 耕運機では追いつかなくなってきた
  • エントリーモデルで初期費用を抑えたい

動機はさまざまですが、いざ購入を本気で考え始めると、調べたい項目が一気に増えてきます。中でも価格は、馬力やメーカーによってどのくらい幅があるのか掴みにくいところです。

この記事では小型トラクターの新車価格を馬力別に整理し、1馬力あたりの目安や中古との価格差まで紹介します。諸経費や補助金、買い替え時の買取活用にも触れているので、見積もりを取る前の物差しとして使ってみてくださいね。

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目次

小型トラクターとは

小型トラクターの線引きは厳密に決まっていないものの、業界ではおおむね20〜25馬力以下のモデルを指す呼び方が定着しています。ここでは馬力の目安、できる作業の範囲、耕運機や管理機との違いを順に押さえていきます。

赤いトラクターが乾いた畑で土を巻き上げている光景

馬力の目安と呼び方

国内3メーカーが展開している小型トラクターのラインナップを馬力レンジでまとめると、次のようになります。

メーカーシリーズ名馬力レンジ
クボタBull Star EXTRA10.5〜19馬力
クボタGRANOVA17〜22.5馬力
クボタSlugger(SL24)24馬力
ヤンマーGK13〜18.5馬力
ヤンマーYT118〜22馬力
イセキトラQ(TQ)13.5〜17.5馬力

3社とも公式サイトで希望小売価格を公開しているので、地域販売店で見積もりを取る前に大まかな相場感をつかめます。

圃場規模ごとに選ばれやすい馬力の目安はおおむね次の通りです。

  • 家庭菜園・数反の水田:10〜20馬力
  • 狭めの果樹園・0.5町未満の畑:20〜25馬力
  • 1町以上の本格的な作付け:25〜35馬力の中型クラスを検討

最終的な馬力は面積・耕深・取り付ける作業機の重さで決まるので、販売店で実機を確かめながら詰めていくのがおすすめです。

できる作業の範囲

小型トラクターが担うのは、ロータリーでの耕運、代掻き、畝立て、中耕除草といった田畑づくりの基幹作業です。機種によってはフロントローダーも装着でき、土寄せや堆肥の運搬まで担えるようになります。

得意な作業と苦手な作業を整理すると、こんな具合になります。

作業内容小型トラクターの対応
ロータリー耕運・代掻き〇 基幹作業として得意
畝立て・中耕除草〇 アタッチメントで対応可
フロントローダーでの運搬・土寄せ△ 機種による
トレーラー牽引・長距離運搬△ 馬力不足になりやすい
大規模圃場の耕運× 中型・大型クラスの領域

乗用で長時間続けて動かせる、作業機の付け替えで多用途に使えるといったあたりが、小型クラスの担当領域です。

耕運機・管理機との違い

耕運機や管理機は歩行型で、人が後ろから押し歩きながら浅めの耕運や中耕に使うのが基本です。深耕や代掻きまで踏み込むと馬力不足が出やすく、長時間の作業では体への負担も無視できません。

小型トラクターは乗用で、PTO動力を使って多彩な作業機を回せます。家庭菜園レベルの広さなら管理機でも十分にまかなえますが、数反以上の水田や果樹園に踏み出すなら、最初から小型トラクターを視野に入れたほうが結果的に手間も時間も省けます。

✅️ 合わせて読みたい:小型トラクターはどんな農家におすすめ?メリット・デメリット・選び方を徹底解説

小型トラクターの新車価格の目安

小型トラクターの新車価格は、馬力でおおまかな帯が決まり、装備や仕様で上下します。ここでは馬力別の価格レンジから、1馬力あたりの考え方、中古との価格差までを順に整理していきます。

小型トラクターの見積もりと電卓を見ながら価格帯を比較している様子

馬力別の価格レンジ

クボタとヤンマーの公式希望小売価格をもとに、小型クラスの新車本体価格を3つの馬力帯でざっくり整理すると次のようになります。

馬力帯主な代表機種(2026年時点)価格レンジ(税込)
10〜15PSクボタ Bull Star EXTRA(JB11X・JB13X)130万〜170万円
16〜20PSヤンマー YT118 / YT120160万〜250万円
22〜25PSクボタ Slugger(SL21〜SL24)/ ヤンマー YT223A260万〜400万円

たとえば10PS台ではクボタ Bull Star EXTRA JB11X が約126万円〜、18PS のヤンマー YT118 が約158万円〜、24PS のクボタ Slugger SL24 が約343万円〜と、同じ馬力帯でも幅は3倍近くになります。上限はパワクロ(ハーフクローラ)仕様やハイスピード仕様、下限は標準的なホイル仕様が目安です。

価格は時期によって変動するため、購入時は各社の公式サイトで最新の希望小売価格を確認する必要があります。

1馬力あたりの考え方

業界では昔から新車は1馬力あたり10万円前後が目安とされてきました。排ガス規制対応やICT機能の搭載で単価が上昇傾向にあり、近年は10〜15万円が新しい目安とされることも出てきました。しかし、今回の実勢価格で検算すると、1馬力あたりの下限がさらに下がり、1馬力8〜15万円で見ておくと幅がつかみやすくなります。

実機で検算すると、クボタ Bull Star EXTRA JB11X(10.5PS)が約12.0万円/PS、ヤンマー YT118(18PS)が約8.8万円/PS、ヤンマー YT223A(23PS)が約8.5万円/PS、クボタ Slugger SL24(24PS)が約14.3万円/PSと、メーカーやグレードによって幅は出ますが、おおむね目安の幅に収まります。

中古との価格差

中古は1馬力あたり3〜4万円が業界の目安で、新車のおおむね3分の1〜半分の水準まで下がります。

実例として、イセキ TH24(24PS)の現状販売・稼働800時間台の個体が中古50〜60万円前後で出ているケースがあり、新品定価200万円台のクラスと比べて3割前後まで下がっています。一方、整備済み・低稼働(137〜200時間)の同型は130万円前後の値がつくこともあり、コンディション次第で2倍以上の開きが出ます。TM16(16.5PS)は中古65万円前後で、新品の希望小売価格約176万円の4割弱の水準です。

ただし中古は稼働時間や整備履歴、残存部品の供給で総コストが動きます。新車か中古かは、年間稼働時間と修理費の読みやすさで決めるのが現実的です。

✅️ 合わせて読みたい:トラクターの新車価格はいくら?主要メーカー・補助金・買取活用術を解説

小型トラクターの新車価格を左右するポイント

同じ馬力でも新車価格に数十万円〜100万円単位の差が出るのは、ここで挙げる軸が重なるためです。

  • 駆動方式と走行装置
  • 3点リンクと作業機の対応範囲
  • 標準装備とオプション

ここでは価格差の出やすい3つを押さえていきます。

小型トラクターのロータリーや足回りなど装備の違いを確認している様子

駆動方式と走行装置

タイヤを使うホイル仕様が標準ですが、パワクロと呼ばれるハーフクローラ仕様を選ぶと本体価格が大きく上振れします。代わりに湿田での沈み込みや軟弱地での走破性が改善されるため、水田中心の地域では選択肢に入ってきます。

近年の小型トラクターは4WDが事実上の標準で、2WD仕様は限られた機種にしか残っていません。家庭菜園レベルなら2WDでも問題なくこなせる場面はありますが、新車購入なら4WDを前提に考えるのが現実的です。合わせて、田んぼ間の移動が多いならハイスピード仕様を選ぶと、移動時間と疲労感が変わります。

3点リンクと作業機の対応範囲

ロータリー以外の作業機を使い分けたいなら、3点リンクヒッチの有無が大きな分かれ目になります。3点リンク対応モデルなら、畝立て機・代掻き機・プラウなど多様な作業機を付け替えて使えます。

15馬力以下の小型クラスでは2点リンクが採用されることが多く、対応する作業機の種類や中古市場の流通量は限定的です。16馬力以上で3点リンク対応のシリーズが増えるため、長く幅広く使う前提なら、ここを線引きと考えると良いでしょう。

標準装備とオプション

同じ機種でも以下のような仕様によって乗り出し価格が大きく変わります。

  • ロータリーの幅
  • 自動水平制御
  • 自動耕深制御
  • 倍速ターン
  • 逆転PTO

後付けで追加できる装備と、購入時にしか付けられない装備を切り分けて見積もりに含めるかを決めると、買ったあとの追加投資を抑えられます。

販売店で見積もりを比較するときは、本体価格+ロータリー+諸経費+下取りまでセットで出してもらうのがおすすめです。本体だけで比較すると、ロータリー込みの店と別売りの店で総額が大きくぶれてしまいます。

主要メーカーの小型トラクター

国内シェア上位のクボタ・ヤンマー・イセキは小型ラインをそれぞれ揃えていますが、価格帯の傾向や装備の力点、販売店網の手厚さで色合いが違います。1社ずつ特徴を見ながら、自分の地域・用途に合うメーカーを絞り込んでいきましょう。

販売店で複数の小型トラクターを並べて比較している様子

クボタの小型ライン

クボタは国内シェアトップで、10〜25馬力台の小型クラスでも Bull Star EXTRA(10.5〜19馬力)・GRANOVA(17〜22.5馬力)・Slugger(24馬力)と複数ラインがあり、用途や予算に合わせて細かく選べるのが魅力です。25馬力以上を視野に入れるなら TERAST(25・31馬力)も選択肢に入ります。

販売店網と修理体制が全国に広がっているのも強みで、購入後のメンテナンスや部品供給で困る場面は少なくなるでしょう。修理対応のスピードを優先する地域では、まずクボタを検討する農家が多くなります。

ヤンマーの小型ライン

ヤンマーは国内シェア第2位で、エンジンメーカーとしての歴史を背景に耐久性と燃費のバランスを売りにしています。小型では GK シリーズ(13〜18.5馬力)・YT1 シリーズ(18〜22馬力)が家庭菜園規模から数反規模まで段階的に揃います。

工業デザイナー奥山清行氏が手掛けた YT シリーズ(中・大型の YT3 が代表)のスタイリングは農業機械の枠を超えた話題性があり、ヤンマー全体のブランドイメージを牽引しています。地域の販売店が近くにあるかは、購入後の整備のしやすさに直結するので事前に確認しておきたいところです。

イセキの小型ライン

イセキは国内シェア第3位で、小型ラインの代表は TQ(トラQ)シリーズで、13.5〜17.5馬力をカバーしています。近年もオーシャンブルーカラーへのリニューアルや新エンジン搭載など、現行モデルとして更新が続いています。

価格帯はクボタ・ヤンマーの同クラスと大きく変わらない水準で、希望小売価格はイセキ公式サイトでも確認できます。近隣に販売・整備拠点があるかは購入後の安心感に直結するので、地域でのサポート体制も含めて選ぶのが現実的です。

✅️ 合わせて読みたい:国内外のトラクター主要メーカーを紹介!中古市場でも高い人気

トラクター本体価格以外の費用と補助金

本体価格と並んで実質負担を左右するのが、諸経費・維持費の合計と、それを下げる補助金・融資です。配下では「出ていくお金」と「下げる仕組み」を順に押さえます。

小型トラクター購入時の諸経費や補助金の書類を確認している様子

諸経費と維持費

新車購入時に本体価格と別にかかってくる代表的な諸経費は次のとおりです。

  • ナンバー登録(軽自動車税申告)の手続き費用
  • 運搬料(販売店からの納車費用)
  • 初回整備費・組立費
  • 作業機(ロータリー等)の追加費用

維持費は毎年の燃料代、オイルや消耗品代、年1回程度の定期点検費、任意保険などが積み重なります。本体価格だけで比較すると、ロータリー込みの店と別売りの店、運搬料込みの店と別請求の店で見積もりの数字がブレやすいので、諸経費まで含めた総額で見比べるのがおすすめです。

補助金や融資の選択肢

購入負担を下げる側として代表的なのは、国の補助制度(地域農業の担い手向け・新規就農者向けなど)、自治体の独自補助、JA の低利融資です。スマート農業の導入支援系では機種要件が細かく決まっていることがあり、目当ての機種が対象に入っているかを事前に確認しておきましょう。

補助金は年度・地域・要件で大きく変わるので、最新情報は市町村・都道府県の農政担当窓口・JA や農林水産省のサイトで確認するのが確実です。補助金頼みで価格交渉を後回しにしないこと、対象機種や要件を申請前に確認することの2点を押さえておくと、想定外の自己負担を避けやすくなります。

✅️ 合わせて読みたい:【2025年版】トラクター購入に使える農業機械の補助金一覧!自己負担を最小限に抑えるには

古い農機具を手放して買い替え資金にする

新車購入の負担を少しでも下げるために検討したいのが、使わなくなった農機具の売却です。ここでは、下取りと買取のメリット・デメリットを解説します。

古い農機具を査定して小型トラクターの買い替え資金を検討している様子

下取りのメリット・デメリット

下取りでは、新しいトラクターの購入と同時に古い機械を手放せるのがメリットです。販売店とのやり取りが1社で完結し、運搬や処分の段取りを別途考えなくていいので、繁忙期でも進めやすくなります。新車購入の販促キャンペーン期間中なら、下取り価格が通常より上振れすることもあります。

一方で下取り価格は新車の値引きとして扱われることが多く、機械単体の市場価値が見積もりに反映されにくいのがデメリットです。年式・状態が良くても、新車価格との差し引きに埋もれて評価額が分かりにくくなるケースもあります。

買取のメリット・デメリット

買取専門業者は国内外の販路を持っているため、市場相場に沿った金額が出やすいのがメリットになります。動かないトラクターや整備履歴がない機械でも、部品取りや海外再販を前提に値が付くケースが多くあります。査定から現金化までのスピードも、下取りより早くなりやすい流れです。

デメリットは、購入と売却の手続きを別々に動かす手間がかかることです。買い替えのタイミング次第では、納車までの間にトラクターが手元にない期間が生まれる可能性もあります。

下取りに出す前に農機具買取の査定だけ受けておくと、両者の金額を並べて比較したうえで判断できます。

✅️ 合わせて読みたい:トラクターを売りたい人が知っておきたい高価買取のコツや注意点

小型トラクターの新車購入でよくある質問

家庭菜園で新車を買う価値はある?

数十坪程度の家庭菜園なら、管理機や耕運機で足りる場面が多いでしょう。100坪を超える、または将来的に面積拡大や果樹を増やす計画があるなら、最初から小型トラクターの新車を視野に入れる選択肢もあり得ます。用途と将来計画の幅で決めるのがおすすめです。

軽トラに積めるサイズはある?

軽トラの最大積載量は350kgで、ここを超える車両は道路運送車両法上、積載できません。小型トラクターは10〜15馬力クラスでも重量400〜700kg程度が一般的で、軽トラに合法的に積めるサイズはごく限られます。

実際の運搬は1t以上の貨物トラックや業者による回送が主流です。軽トラ運搬を前提に機種を選ぶなら、購入候補のメーカーカタログで機体重量とラダーの耐荷重を必ず確認し、販売店に運搬方法を相談しておきましょう。

補助金は個人でも使える?

国の地域農業の担い手向け・新規就農者向けの制度では、個人事業主でも対象に入るケースがあります。自治体独自の補助は、規模・作物・地域要件で対象が分かれます。申請窓口で要件を確認するところから始め、対象は市町村・都道府県の農政担当窓口・JA で取り扱いがあります。

まとめ

この記事では小型トラクター(20〜25馬力以下)の新車価格をテーマに、馬力別の価格帯や1馬力あたり目安、中古との価格差などを紹介しました。

同じ20馬力台でも130万〜400万円と大きな開きがあり、装備の選び方ひとつで実質負担が大きく変わります。

買い替えなら、古いトラクターや使わなくなった農機具を売って資金に回す方法もあります。農機具買取のウルトラファームなら全国出張査定が無料で、納屋から運び出す手間もかかりません。動くうちに査定だけでも受けてみてください。

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